賭博者 ドストエフスキー原作 ギャンブル依存症を描いた作品です、マイ・ブック・レビュー
☆序
あまり知られていないドストエフスキーの作品で「賭博者」という小説がある。
あまり、、、と、、書いたが、実際はほとんど知られていない作品だと思う、
一般の日本人読者にとっては
罪と罰
白痴
悪霊
カラマズフの兄弟
位を知ってるだけだろうか?
もうちょっと詳しい人ならば
白夜
貧しき人々
虐げられた人々
未成年
地下室の手記
なども知っているでしょうね。
でも?
賭博者は、、知らないし読んだ人もいない?のではないでしょうか?
さてそんな知られていない作品「賭博者」ですが、
わたしはある意味すごい作品だと思っています。
そもそも、この作品ですが。ロシアを逃げ出して?
19歳年下の女性ポリーナという
愛人とヨーロッパ旅行に出かけたことが元になっている
そこでドストエフスキーはルーレット賭博に夢中になり実際破滅的状況になりました
でも、、取りつかれてやめられないという
ギャンブル依存症の実体験がなまなましくこの作品に生かされています。
ドストエフスキー自身が相当のギャンブル中毒だったのです。
ですからそれに裏打ちされたギャンブラー心理の記述は真に迫っています。
旅行先でドストエフスキーは出版社?の契約で期日まで新しい小説を書き上げないと今までの小説のすべての版権を失う?
という岐路に立たされていました、
ですがなかなか筆が進まず、この賭博者という作品は、結局27日間で突貫工事?であら削りにやっと仕上げて出版されて版権を維持できたという曰く付きの「シロモノ」だったのです。
間に合わなくなりあわてて「口述筆記」の女性を雇い、ぎりぎり間に合ったのでした。
この女性とは、後日、今の愛人と破局してから、正式に結婚してますね。
、
作品あらすじ
以下ウイキペディアより引用
「ドイツの架空の街、ルーレテンブルクを舞台に物語は進行する。「将軍」のウチーテル(家庭教師)であるアレクセイは、資金の調達のためパリなどをまわってルーレテンブルクに戻ってきた。その夜、彼が思いを寄せるポリーナにけしかけられ、ヴルマーヘルム男爵夫人と一悶着起こす。このことがきっかけでアレクセイは、将軍の財政が破綻をきたしており、一行が「おばあさま」と呼ぶアントニーダの死去によって資産が転がり込むことを期待していると知る。
ところが、そこに死にかけていると思われていたアントニーダが姿を現し、一行の目の前でルーレットによって財産を蕩尽してしまう。将軍はじめ一行が狼狽している所に、ポリーナがフランス人のブランシュに借りをつくっているとアレクセイに打ち明ける。アレクセイは取り憑かれたように勝負し始め、大勝するが、ポリーナは気が動転しておりアレクセイの金を受け取ろうとしない。失望したアレクセイはマドモアゼル・ブランシュの誘惑に乗り、一緒に生活を始める。豪奢な生活により資産が枯渇すると、アレクセイはブランシュの元をはなれてルーレット三昧の生活で身を滅ぼしていく。」引用ここまで
☆まとめ
世の中にいろいろ小説はあれど
これほど「ギャンブラー心理」をえぐって書ききった作品はほかにはないのではないだろうか?
それほどこの作品は賭博に取り付かれてゆく人間の心理をえぐっています。
まあ不肖、私自身は、ギャンブルには全く興味もないのでこういう取りつかれる心理って
それまではわからなかったんですよね。
でもこれを読んでなるほどそうだったのか、
、、、、と、、腑に落ちたのでした、
そういう意味では「ギャンブル依存症」って怖いですよね。
そういう怖さを知るためにも
皆さん、、、この作品を読んでみる価値は十分にあるのではないでしょうか?
なおこの作品(小説)ですが
な、、なんと、、
フランスで映画化されてるんですよ、
わたしが知る限りこの映画だけです
他にはありません。
それが1958年のフランス映画
監督は名匠、クロード・オータンララです。
そして主演が、なんと私が大好きな男優の「ジェラールフィリップなのです。
映画の出来はかなり翻案されて脚色されていて原作小説通りではありませんが
これはこれで
映画として十分出来は良いと思いますよ、
https://www.youtube.com/watch?v=Bdulkjnkqic