ノーベル文学賞
今年のノーベル文学賞はアメリカの女流詩人が受賞しました。
毎年のように期待されている村上春樹さんですが、日本人がノーベル文学賞を受賞することは、かなり難しいでしょう。
我が国のノーベル文学賞受賞者は、川端康成さん、大江健三郎さんのお二人です。
川端康成さんはその後、鬱病を発症して自殺してしまいました。
大江健三郎さんは御壮健ですが、この方の著作の一つに大きな問題が明らかになっており、それが影響しているようです。
その問題作が『沖縄ノート』というルポルタージュです。
この『沖縄ノート』では、沖縄の地上戦に於いて、軍部が住民に対して集団自決するよう命じたとされているのですが、この軍部の命令が虚偽だとして、出版差し止めを求めて平成十七年に提訴されました。
結審した裁判は、「大江が虚偽の事柄を流布して軍人の名誉を毀損しているから、『沖縄ノート』の出版を停止してくれ」という原告の訴えに対して、「大江が虚偽の事柄を信じたことには、相当な理由があったから意図的な名誉毀損ではない」として、被告人の利益としたまでのことです。
また「軍が自決を強制した事実は立証されていない」上、命令されたにも拘らず生き残っている住民がいるので拒否は可能だった傍証があります。
“疑わしきは被告人の利益に”の原則に立てば、軍の強制は疑わしいので、強制はなかったという結論になります。
このように、沖縄地上戦での軍部による集団自決命令は疑わしいのですから、この疑わしい事物を根拠に個人を罵っている文章は訂正するのが常識です。
大江健三郎さんは他にも、受賞者として如何なものかという言動が海外でも繰り返されており、これが原因で日本人にノーベル文学賞を受賞させないような雰囲気があるようです。
間違いは即座に修正できる柔軟性が欲しいですね。




