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社畜と美人。。  作者: けけまる
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絶世の美人とお試しで付き合う事になった。

 俺の名前は、佐伯(さえき) 詩音(しおん)今年で26歳独身の見た目もパッとしないただの社畜だ。


 毎日始発に出勤して終電で帰る生活をしている。

 今日もいつもの時間にけたたましいアラームの音で目覚め、今日も会社へ行く。


 うちの会社には絶世の美人な社員がいる。

 佐々(ささき) 玲奈(れいな)だ。

 息を飲むような綺麗な顔にグラビアアイドル顔負けのスタイルで仕事もできる。

 前世でどんな徳を積めばこんな人間が出来るのだろうと思う。

 俺は興味はないが

 うちの男性社員のほぼ全てが彼女のファンだ。


 朝、いつものように出社すると

「やべーよ、朝から美玲さん見ちゃったよ。俺、これで一週間は頑張れるわ」

「まじかよ、俺も見たかったー」

 と今日も社員達が噂をしている。


 いや、一週間は長すぎるだろ

 と思いながらもぼっちな俺は一人、自分のデスクに着く。


 デスクに着くとすぐさま後輩の小鳥遊(たかなし) 慶吾(けいご)がやってくる。


「せんぱーい!!聞いてくださいよー!!俺、今日、朝から美玲先輩と同じ電車だったんですよー!!」


「そうかおめでとう。」


「もー、ほんと先輩って無表情ですよねー。そんなんだから彼女できないんですよー」


「はいはい、さっさと仕事に取り掛かれ」


 はーいと言いながら慶吾は自分のデスクに戻っていく。

 興味がない訳ではないが、俺とは住む世界が違いすぎてテレビで芸能人を見ているような感覚で何度か見たことはあるが綺麗な人だなーと思ったぐらいだった。


 一日も終わり今から帰ろうかと思い疲れた目を擦ると付けていたコンタクトが取れてしまう。

「はー、ついてないな」


 仕方ないので古くなってかなり見えにくい眼鏡を鞄から取り出し掛ける。

 あんまりはっきりとは見えないが帰るだけなら大丈夫だな。


 そう思い、会社をでて駅へ向かう。

 もうすぐ駅に着くと言うところで

 目の前を歩いている女性が

 段差につまづき転倒した。


 膝を擦り剥き血を流しているところを見るとかなり痛々しい傷だ。


「これ、、、よかったらどうぞ」

 と財布にいつも入れてある絆創膏を差し出すとその女性は

「ありがとうございます」と小さな声で呟くように言う。

「どういたしまして」


「あの、、、」

 と女性が言っていたが終電間近なのを思い出してもう会うことはないだろうと思い急いで駅へと走る。


 何とか終電に間に合ったが結果的には無視をする事になった事を申し訳ないと思いながら吊革につかまりながら明日の仕事の事を考える。


 次の日、会社へ行くと妙に社員達が騒がしい。

 何でも朝から佐々木美玲が会社の入り口で誰かを探していたそうだ。

 その日、社内はその話で持ちきりだった。


 今日も終電ぎりぎりまで残業し、急ぎ足で駅に向かっていると

「見つけました」と綺麗な声が聞こえた。


 振り向くと佐々木美玲がこっちを見て立っている。


「えーと、、俺ですか?」


「はい」

 ということは探していたのは俺か?

 何かの間違いなのでは?

 とりあえず時間もないし

 さっさと用件を聞いて帰ろう。


「なんですか?」


「先日のお礼がしたくて探していました」


「お礼は大丈夫です。では失礼します」

 普通な奴なら勘違いするところだがぼっちをこじらせてる俺からすればわけないぜ。


 電車に乗って外の景色を眺めていると

「あのー、、、」


「え、、」

 そこには服の袖を引っ張って困った顔で立っている佐々木美玲がいた。


「帰る方面一緒だったんですね」


「いいえ、全然真逆です」

 いや、この人なに笑顔で言ってるの?

 絶対終電ないよね?

 馬鹿なの?


「え、なんで!?」


「なんか、ついてきてしまいました」

 えー、どーするのー。

 周りのお客さんから嫉妬の目線がすごい。

 服掴むのやめてくれ、ぼっちには厳しすぎる。


「明日は休みですし朝まで飲みましょー」

 いや、ほんと何言ってるの?


「あー、すいません。今日は用事があるのでお断りします。また今度誘ってください」

 こういう時は必殺また今度作戦だな。

 なんか裏がありそうで怖いから断っとこー


「そうですよね。いきなりお誘いしてすいません」

 なんて悲しそうな言ってんだよ

 周りからはうわー、あいつ最低だなと

 すっごい冷めた顔して見られてる。

 え、これ、俺が悪いん?


「すいません、やっぱり飲みに行きましょうか」

 うん、周りからの死線に耐えれませんでした


「はいっ」

 普段から想像できないようなキラキラした笑顔で思わず鼓動が早くなるのを感じる。

 我ながら俺ってちょろいな


 家の最寄駅の近くの居酒屋について二人でビールを頼む。

「「かんぱーい」」


「ぷはー、うめー」

 するとガチャンと彼女の方から音がしたので見てみると耳まで真っ赤にしてテーブルに突っ伏していた。


「なんでやねーーん」

 いかんいかんついエセ関西弁が出てしまった。

 さて、どうしたものか。

 彼女の寝顔を見ると改めて綺麗な顔だなーと思う。


 置いて帰るわけにもいかないのでおぶって自宅まで運ぶ。

 背中の二つ柔らかさと良い匂いのせいで理性が保つか瀬戸際だったが何とか自宅に着き、

 自宅のベッドに彼女を寝かしつけてシャワーを浴びる


「やべーよ、家にあの佐々木美玲泊めてるよ、こればれたら会社のやつに撲殺されるやつだよ」


 そんな心配をよそに彼女は俺のベッドですやすやと眠っている。


 その様子を確認して腹が減っていたのを思い出して台所へ向おうとするといきなりグッと手を引っ張られベッドに引き込まれる。


「ちょっと、佐々木さん?」

 怖い怖い怖い。

 そんな細い腕のどこにそんな力があるん?


 反応がない、どうやら寝ているようだ。

 いつ脱いだのかシャツのボタンが開いておりいろいろとまずい状態になっている。


 えー、これはまずくない?

 抜け出そうとするが話してくれず、何とか背中を向けて脱出のタイミングをはかる。


 あー、なんだろこの安心感。

 ダメだ、安心感からくる睡魔に勝てそうにない。


 、、、うん、朝だね。

 まだ俺抱っこされてるね。

 非常にまずいよね。


 うーんと言いながら俺の横顔に彼女の横顔がくっつく。

 ダメだ、理性が、、

 ナイスタイミングで携帯のアラームが鳴り響く。


 すると素早い身のこなしで彼女がアラームを消し今度は俺の腕の中に入ってくる。


 おいおいおいおい、これどーなってるねーん!!

 そして何故俺は寝たふりをしたんだろう。


「ふふっ、良い匂い」

 この女変態なのか?

 頼むからスリスリしないでくれ。


 我慢できず

「あのー、離れていただけませんか?」


「嫌です」

 そんな眩しい笑顔で言われても困る。

 ただでさえ上目遣いでドキドキしているのに。


「あのー、このタイミングで言うのもあれなんですけど私と結婚してくれませんか?」


 ん?結婚?

 この人頭大丈夫?


「いきなりですいません。でもこうなったからには責任は取っていただきます」

 と妖しく笑う。


 えー、この人めっちゃ策士。

 昨日のも演技なの?


「あのー、なんで俺?」


「覚えてませんか?」


「私は以前にもあなたにあったことがあります。

 去年の会社の忘年会の日、私はあなた、いえ、詩音さんに介抱されました。」


 あー、あの日は確かクソ部長と慶吾にこいつ酔ったらどうなるのか見たくない?

 みたいなノリで死ぬほど飲まされて途中からしんどくなってきた俺は、

 潰れそうな奴らの面倒を観るという名目で

 介抱の役目を自らかって出たのだ。


 まー、俺自身もベロベロに酔っていて

 誰を介抱したのかあまり覚えてないが

 そういえばあの日一人だけ女性が居たな。


 酔った人の背中をさすっていたっけな。


「あの日、うずくまっていたところを詩音さんがずっと背中をさすってくれながら何度も大丈夫だよと優しく囁いてくれました。その優しい声が忘れられず、ずっとその声の人を探していました。」


「もう見つからないかもしれないと思っていたときにおとといその声の主を見つけました。」


「勘違いではなくて?」


「間違いなくあなたです。あの日私に大丈夫ですか?と言ったあなたの声を間違えるわけがありません。」


「ですがいきなり結婚というのもあれなのでとりあえずお付き合いという形で始めましょう。」


「あのー、拒否権は「ありません」ですよねー」


 どうしよ。

 ほんとどうしよ。

 困っていると、

「とりあえずはお試しの恋人という形にします」


 あ、決定なんですね。


「じゃあ、よろしくお願いします?」


「はい!!」

 上目遣いの笑顔が眩しいよ。


「とりあえず一旦離れてもらえませんか?」


「嫌」

 そう言いまた彼女はまた胸にスリスリ顔を擦り付ける。


 うん、これは好きになるのも時間の問題だな。

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