植月 瞳 1日目
セラピスト(Th.) 柚木 藍
クライエント(Cl.) 植月 瞳
Cl:こんにちは!柚木先生。
Th:こんにちは。植月さん。今日はどうしたの?
Cl:先生とお話したくて。
Th:それは嬉しいな。どんな話がしたいの?
Cl:カウンセリングってどんなことをするの?
Th:そうだね。相談者の悩みを聞いたりして、その解決を手助けしてあげることが私のお仕事かな。
Cl:どうしてカウンセラーになったの?
Th:悩んでる子の助けになりたくて。
Cl:ふーん。そうなんだ。先生自身には悩みはないの?
Th:ないことはないけれど。ここは相手の悩みを聞く場所だからね。
Cl:そう。ねえ先生、左手を出して。
Th:こう?
Cl:少し触らせてね。
Th:…はい。
Cl:先生の手温かい。ねえ、今ビクッとしたでしょ。私が触れた時。
Th:…え。
Cl:先生、人に触れられるのが怖いんでしょ?
Th:どうして。
Cl:私、人を観察するのが好きなの。だから、いつも先生が怯えてたのも知ってるよ。
Th:そう…。
Cl:ごめんなさい。先生を追い詰めるつもりはないの。
Th:大丈夫。気にしないで。
Cl:ねえ、先生?
Th:何?
Cl:手首の傷見せて。
Th:…気付いてたの?
Cl:言ったでしょ。観察するのが好きだって。先生みたいなタイプでリストバンドしてればわかるよ。
Th:よく見てるね。
Cl:見せてくれる?
Th:はい…。どうぞ。
Cl:傷だらけ。痛くないの?
Th:痛くはないよ。
Cl:頑張ったんだね。先生、偉いよ。
Th:ありがとう。
Cl:先生、どうして自分を傷つけちゃうの?
Th:なんでだろうね。不安な気持ちから逃げるため、かな。
Cl:大丈夫だよ。ここに先生を傷つける人はいないから。安心して。
Th:優しいんだね。
Cl:そうかな。私は人に相談されることが多いから。私のことを頼ってね、先生。
Th:ありがとう、植月さん。
Cl:瞳って呼んで、先生。
Th:瞳さん。
Cl:うん。その方が好き。先生、大好きだよ。
Th:嬉しい。そんな言葉を言ってくれて。
Cl:もう私行かなきゃ。またね、先生。
Th:ありがとう、瞳さん。またね。