まあるいシェイクハンド
死人だったあなたと
シェイクハンドした、
そんな昔を懐かしく思う時がある。
決して遠い約束のものでは無く
決して保証されていたものでも無く
見えない契約書に
アイコンタクトでサインした。
箇条書きに記した言葉は
後から湧いて出てきたし、
サインした後は喜怒哀楽の中に
余計な涙が一杯詰まって
アイコンタクトも無くなっていき、
迷ってるあなたは
やがて偽者の自分と
共に過ごす日々…
あなた自身を騙し
マスクでぼくを隠していた、
まあるい心がそれをやめて
大きな後悔だけが残っていく。
ぼくのまあるいものは
心だけでは無かったから、
初めからわかっていた様に
ありのままを受け入れた。
まあるい風船を
ぼくの心から手放して
あなたの嘘も偽笑いも
全て受け入れていた。
この終わらないまあるいものが
再びあなたに舞い降りた時、
ぼくのまあるい本物が膨らんだ。
見えない契約書を
その風船に括り付けて
契約書が浮いた時に
最後のシェイクハンドを
あなたと交わした。
あなたの眼は本物の
まあるい風船の様に
生き返っていった…