コーンスープ
今日も彼がわたしの となりのベンチ で
美味しそう。
私もほしい...。
明日こそ言えるかな。
明日こそ、
明日こそここに座ってほしいな。
わたし
恋してます。
わたしの と な り に座る彼に
そして、
コーンスープを飲む彼に...
「ハナ!まてってばー!!!」
公園に走り込んできた彼は
ふらふらと私の方へやってくる
「はぁ はぁ はぁ...」
「 ぉおまえ まじで 足速えぇ 」
そう言って
ドサッ
と私のとなりのベンチに座る
「 カポッ 」
いい音。
「あぁ゛、うめえぇ!!!」
「やっぱ、冬はコーンスープだよな!」
「ハナも飲むか?」
あ、飲みた...
「あ、おまえ飲めねぇんだったわ 」
い...。
あげるつもりなんて、なかったように
ニヤリ
と笑った彼は
残りのスープをいっきに飲みほした
「んじゃ、そろそろ帰るかー」
え、もう!?
あたりをみてみると
人影はほとんどなく
鳥の声もほとんど聞こえなかった
「ほら、ハナ行くぞっ!」
遠くから彼の声が聞こえて
あわてて彼を探す
彼はもう公園の出口へ向かって歩いていた
夕日を浴びてみかん色にそまった彼の手には
わたしが飲めなかったコーンスープの空き缶
『あぁ、飲みたかったな...』
『今日も飲めなかった。』
コーンスープってどんな味なんだろう
きっと
最初はあったかくて
甘くて
ほんのり苦くて
冷めるとつめたい
そんな
そんな
恋。みたいな味なのかな...
飲んでみたいな
明日こそ飲めるかな
明日も来るのかな...
来るといいな
そしたら
そしたら
となりじゃなくて
明日こそわたしに座ってほしいな
今回の ヒロインは 「公園のベンチちゃん」でした!
初の小説でまだまだ自信がありませんが
これからもちょこちょこ出していきたいと思います!!!
応援よろしくお願いします_(._.)_