最終話 僕ら、旅に出ます!
「さて…今までの話から、ソウマが被害者で、本人としてはもう満足、といった感じで纏めても良い様だが、其処のところどうなあんだ、ソウマよ」
話が変な方向へと向かっていたので、戻そうとするカルディアルナ王。
「ん、あ~…それで良いよ?」
「軽いのぅ…まぁ、お前がそう言うなら良いのだろう。で、今後魔王の座はルグルードに譲り、自身はまた人間として旅に出たい、と」
「そうそう、まずは故郷に帰ろうかなって。父さんや母さんに、会いたいからね!」
「ソウマ…俺も行きたいんだが、良いか?」
「ユーマも行くのか!なら俺も行くか!」
「…やれやれ、結局、皆行くのか…なら、俺も行こうかな」
「え、お前達も行くの?王国で働いていかない?超好待遇なんだけど?」
「「「 あっちの方が俺達には合ってるんで、お断りいたします 」」」
勇者一行が続々と旅に参加することに勝手になっていく。
国王ですら、この流れは止められなかったようだ。
「え~…勇者一行全員居なくなるとか、この国大丈夫なの?いや、魔王軍との戦闘はもう今後無いんだけどさ…どうなの?」
「う、うむ…ユーマは英雄としてこの国に留まってもらい、バトリグは近衛騎士団団長として働いてもらいたかったのだが…ダイガンも騎士団の武器を作る工房長としてカルディアルナに来てもらう予定だったしのぅ…」
「まぁまぁ、投影晶は持って行きますので、なにかありましたら呼んでください。クロムの転送魔法で移動出来ますから」
「財布の上に移動手段なのか、僕は…MP消費が馬鹿でかいんだぞ、あれ…」
「我慢しろよ、財布一号」
パトリシア以外の全員が参加することが決定したようだ。
そこで、カルディアルナ王が提案する。
「…お前の旅は、『勇者一行の凱旋の旅』としよう。経費はカルディアルナ王国が…いや、人族大陸の全ての国が負担しよう。うむ、これでいいじゃろぅ、他の国王の方々」
「私は反対しないわ…エルフィンがあんなに大きな声をだしたのは、初めて見たわ…」
「え、財布一号と財布二号要らないの?なら置いて行こうかな!」
「え、あ、そうか…いや、付いて行きたい。私は、旅に付いて行く。お前に許してもらえるまで、地の果てまで付いて行くからな」
「僕も付いて行くよ…地の果てまでは行かないかもしれないけど、行ける範囲なら付いて行くからね」
「えー、ウィルティオはいいけど、クロムが言うとホ○っぽ~い」
「そ、そんなこと、な、無い、よ…?」
「えっ、なにそのガチでそっちの気がありそうな反応…童顔でかわいい系だし…食べちゃうよ?」
冗談でそういうソウマ。
それに対しての返答は…。
「い、良いよ…?」
「えっ?」
「クロムさんなら、良いんじゃないですか?」
「えっ?」
前半はクロムが、自分が食べられる(意味深)事を許可したことへ。
後半は、クロムが食べられる(意味深)事を許可したエルフィンへの『えっ』だった。
「そ、ソウマ…お前、男もイケるのか…」
「じょ、冗談だからね、ユーマ!?エルフィンもノリだよね!?」
「えっ、結構本気でしたけど…」
「うっそ~ん…」
「…(ポッ」
「頬赤らめないでー!!」
クロムが○モと言う事が世界中に知れ渡った一瞬であった。
またも話が逸れて来たので、カルディアルナ王がまた話を戻す。
「なんでこうも話が逸れるんだお前達は…まぁ良いか。で、最初はソウマの故郷に戻る、と」
「そうだよー!まずは故郷に帰って、その後は、ユーマ達と移動した順番で街や村を回ろう!」
「ふむ…なら、まぁ良いかのぅ…他の国の重鎮達も特に反対していないようだしのぅ」
「ソウマ様、今まで有難う御座いました…しかし、貴方の配下の魔物達はどうするのですか?」
ルグルードの質問が来る。
「ん?もちろん、本人達の自由意志!」
「ではここで確認を…ソウマ様に付いて行く魔物の方々、挙手」
付いてきていた奴ら、全員が元気に手を挙げた…
何で、と聞いてみたら、褐色巨乳の人の姿に変身している龍が答えた。
「私達は主に助けられ、自由の身を得た者達。まだ、その恩返しが仕切れて居ません…」
「ん~…まぁ、良いけどさ。じゃあ王様、経費よろしくお願いしますねー!」
「分かった分かった…では、これで会議は終了とする…良いな?」
「はい!…さて、さっさと旅に行こうぜ!支度しろ!」
ソウマの言葉に、全員が反応する。
「え、もう行くのか?…仕方ない、部屋から聖剣取ってくるから待ってろ」
「がっはっは!俺も愛用の斧と酒を取ってくるぜ!」
「やれやれ、行動が早すぎるんだよ…槍と盾、あとは食料が必要だな」
「ソウマさん、古代妖精様との約束で、街でケーキが先ですよ!」
「短剣と投げナイフと…うん、私は大体大丈夫だな!」
「ぼ、僕も大丈夫だよ…杖さえあれば良い」
「薬を買ってから無一文だったから、楽しみだなぁ!」
「よし、準備が出来たら、出発だ!」
少々強引ですが、この作品はこれで終了です。
理由として、しっかりとした設定が出来ておらず、このまま書いても駄目だ、と思ったからです。
新たなファンタジー物を考えていますので、今度そちらの設定がある程度固まったら投稿したいと思います。