第02話 魔王の回想記より~10年間での迷宮の変化~
ちょっと第01話とかぶってしまっていますが…。
最近、迷宮も落ち着いてきたし、僕がこの世界に来てから、ちょうど10年ということで、誰かに読ませるつもりはないが、自分で自分の10年を振り返って整理する為にちょっと回想記を書いてみようと思う。まずは、この10年で作ったり整備したりした迷宮の施設について、振り返ってみよう。
10年をかけて、僕は、周りの森や鉱山のある山、そして、山の反対側まで含めて、迷宮や居住エリア、鍛冶場や畑などの様々な施設を最初の形から配置しなおした。
狼退治が終わってしばらくすると、鉱山の入口がある側の森の調査が終わり、山の反対側も調査をした結果、迷宮のある鉱山側は急傾斜のゴツゴツとした岩地のはげ山だが、反対側は灌木の茂るなだらかな斜面が広がっており、その先は海まで草原が広がっていることが分かった。そして、山は小さな半島の付け根にあって、陸と半島を山が隔てる形になっていた。山を越えないと半島には行けないので、僕は、鉱山の入り口部分から山の中を反対側まで貫く通路を作り、迷宮を通って半島側に行けるようにした。
そして、段階を経ながら、斜面側を開発し、施設を斜面側に移していった。最初は、狼の住み処と、運動場を作った。その次には、村の跡を利用して作っていた鍛冶場を移した。山を越えない限り侵略されることのない斜面側に移したこと。鍛冶場があった隠れ里には、僕のマスターである冥神サリバーンに頼まれて建てたサリバーン一派の冥神たちの神殿が建っている。そして、その後は、徐々に増えていくコボルドたちの居住区を斜面側の地下に作り、コボルドの子どもたちを訓練するための練兵場も作った。
その他にも、周辺地域で採集したポーションの原料となる薬草類の栽培場やイモの畑、森の隠れた番人として植えるための肉食樹の魔樹の苗の栽培場を作った。これらの農作業は、コボルドたちが行っている。
さらには、山の頂上部分を平たく削り、そこに、みんなの居住区、食堂に台所、ヨンボスの魔術師の塔、ソフィーナの錬金術師の塔の2つの塔、図書館、錬金術の作業場、書写と製本の作業場、ゴズール・メーズルの道場、蒼銀の子竜グレンのねぐらとカトゥスたちチェシャ猫のキャットルームをまとめたちょっとした城を建てた。
これらの施設を守るために、まず、山にたどり着くためには、魔樹やトレントが植えてあって、狼たちもが駆け回っている森を突破しなければならない。そして、入口まで侵入者がたどり着いた時点で、迷宮の住人が普段使っている通路は2重の鉄格子で塞がれて通れなくなる。侵入者は、坑道の今は使わっていない部分を通り抜けて、僕の作った迷宮を突破するという3つのエリアをクリアしなければ、山頂の城や半島側にはたどり着けないようになっている。さらに、森に近づく者や山を登って山頂に行こうとする者を監視する為に、鉱山側にいくつかの洞穴を作り、そこに数組のハーピーの群れを配置して、山や森を定期的に巡回・監視させている。
この形が完成した時には、『山の下に入り口のある迷宮を突破しないと、山頂にある魔王の城に行けないなんて、昔のRPGみたいだな』、なんてことを思ったけど、誰にも理解してもらえるわけもないので、その感想は心の中にしまっておいた。
唐突に出てきたおニューな物の話は、後で、ちゃんと出てきますので…。




