第13話 師匠を招く(4)
7月21日にUPしようと思っていたんですが、3日遅れになってしまいました。
夜に、第14話に入れようと思っていた部分を第13話に追加しました。
できるだけ定期的な更新をできるようにしたいとはおもっているんですが…。とりあえず、7月中に第1章の終わりまでいけるように気合を入れて書いていきます。
夕食の準備のために調理場に戻ったイチローを除いた、ゴズール、メーズル、ヨンボス、ブルハン、ソフィーナ、カミラの6人と坑道の住人と対峙する件の打ち合わせをする。
ゴズール、メーズルは
「コボルドの群れなど、我ら2人で皆殺しにしてくれましょう!」
なんて、過激なことを言うし、ヨンボスは、
「コボルドごときにわしが出るまでにないわ、ブルハン、お前が行って、コボルド共に、魔術師のおそろしさを教えてやるがよい。」
と、弟子に任せてしまうと、ソフィーナも、
「では、私も、カミラにお任せしましょうかね。そんなに大勢で行く必要もないでしょうからね。」
とヨンボスに同調して、弟子任せにしてしまうと、サッサと塔へ戻って行ってしまった。
とりあえず、残った4人と打ち合わせをして、作戦を決めた後、イーニーと連絡を取って状況を確認する。
イーニーの報告によると、コボルドたちが入口付近を住み処にしている。そのせいで、入口までは到達できないでいる。コボルドたちは子どもも含めて30匹ほどいるようだ、ということだった。
30匹ほどであれば、敵ではないないという4人の言葉を信じて、さっそくコボルド退治に出かけようとしていたら、部屋の隅で話を聞いていたアレレッティが声をかけてきて、
「ガルドゥーニ様、コボルドの件ですが、今すぐ急いで対応をしないと、こちらに危害が加わるという類のものではございません。ですので、先に、奴隷の人狼の処理を済ませて、人狼も一緒にコボルドのところに行くことをお勧めします。犬人とも呼ばれ、犬に近い種族であるコボルドと人狼族は比較的相性の良い種族ですので、人狼を連れて行った方が、話がやりやすくなると思いますよ」
とアドバイスをくれ、それを聞いた魔術師のブルハンが、
「このメンバーに人狼族が加わるのであれば、戦力としても交渉役としても大いに期待ができると思います。アレレッティ殿のご意見に賛同したします。が、いかがいたしますか」
とアレレッティの意見に賛意を示した。
僕は、2人の意見に従うことにした。まずはこれから、人狼の購入を済ませるので、夕飯の時にまた打ち合わせをして、明日の朝、コボルドのところに行くということを決めて、一旦、解散とした。
1人DCルームに残った僕は、まずは、イーニーたちインプに、一度、戻ってくるように指示を出した後で、人狼族の奴隷購入の手続きに入った。といっても、僕がすることといえば、アレレッティが準備してくれたdPad上の購入画面にOKをして、購入した奴隷を転送するだけなのではあるが…。
奴隷はあくまで主の所有物だが、人格まで自動で支配できるわけではないので、言うことをきかなかったり、暴れたりしても困らないように、まずはダンジョンに牢屋を作る。そして、そこに転送をすることにして、さっそくdPadで操作をし、人狼一家を購入・転送する。
牢屋の中に現れる4人の人影。人狼の一家といっても常に人狼形態なわけではないから、そこに現れたのは、普通の中年の男性と女性、若い男が2人だった。僕に気付いた中年の男性が話しかけてくる。
「あなたが、我々を購入された魔王殿ですね。アレレッティ殿から、ある程度お話は聞いています。なかなか良い主に買われたものだと安堵しております。私の名はウォルフガング、妻のアリーネ、長男のウォルターに、二男のウォーレンです。よろしくお願いします。」
奴隷とはいえ、特にひどい扱いをする気もないので、勝手に逃げ出さないようにと、反抗するのを抑えるために‘奴隷の腕輪’をつけた後、住むところや、今後の待遇等について話をして、住む部屋を作り、そこに住まわせることにする。夕食の時に、明日の朝のコボルド討伐の話をすることを告げ、また、妻のアリーネには、イチローの手伝いをして、食事の時の配膳を手伝うように命じて、人狼一家のところを後にする。
これで、一通りの戦力と師匠、料理人などもそろったし、坑道の地図も後は、コボルドの住んでいるところで完成する。だいぶ進んだことに満足しながら、夕食まで少し休憩をすることにした。
DCルームの玉座で、ウトウトしている僕をイチローが呼びに来た。夕食の準備が整い、僕以外はもう全員そろっているとのことだ。
食堂のテーブルには、
牛頭鬼の戦士・武術家、ゴズール。
馬頭鬼の戦士・武術家、メーズル。
マンティコアの魔術師、ヨンボス。
ヨンボスの弟子で、青鬼族の魔術師、ブルハン。
鱗魔族の錬金術師、ソフィーナ。
ソフィーナの弟子で、ラミアの錬金術師、カミラ。
人狼族の戦士にして、魔物使いのウォルフガング。
ウォルフガングの妻、アリーネ。
ウォルフガングの息子のウォルターとウォーレン。
和の国出身の人間の料理人、イチロー。
チェシャ猫のカトゥス。
インプたちのリーダーのイーニー。
ダンジョン商会のアレレッティ。
それに、僕。
と、今の僕のダンジョンの住人達が勢揃いしていた。
先ほど、一度、顔を合わせているメンバーたちに人狼のウォルフガング一家が挨拶をし、明日はゴズール・メーズル、ブルハン、カミラ、ウォフガングとウォルターの6人と一緒にコボルドのところに乗り込むことを確認した。そして、この近辺には人間は住むでいない。だから、コボルドのことが済めば、しばらくはのんびりダンジョン内を整備したり、それぞれの修行や研究などに勤しむことができると思うことなどを話した。
その後は、それぞれの修行や研究のこと、得意分野のことなどを食事をしながら、飲みながら、いろいろと語りあった。
こうして、ダンジョンの住人たちの入居を無事に終え、僕のダンジョン生活2日目は終わったのだった。