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迷宮の魔王  作者: れおれお
第1章 迷宮作成開始
10/23

第08話 師匠を招く(1)

 迷宮作成2日目。



 朝食を食べ、僕はインプたちに坑道の探索の再開を指示した。

 その後は、坑道の取り込みが終わるまでは、次の作業に取り掛かれないので、ダンジョン作成のためというよりは、自分を成長させる手段を充実させるために、自分の魔術や戦闘の師匠を探すことにした。


 ダンジョン商会は、魔王たちに様々な物や魔物を提供することが主な仕事であるが、その商材を確保するために様々な世界で商売をし、武器・防具や魔物、そして各世界に住む様々な種族の奴隷を持っている。さらに、奴隷ではないが技術や知識を提供する人材の派遣というか斡旋も行っている。

 dPadで、ダンジョン商会の奴隷リストやDPで召喚できる魔物リストを見ながら、あれこれ考えるが、どれを選んでいいのか決め手に欠けるので、アレレッティに相談することにした。


「アレレッティ」


 と独り言のようにつぶやくと、いつものパターンでアレレッティが現れる。


「ご用でしょうか、ガルドゥーニ様」


「うん、実は、魔術や戦闘の技術をDPを使って習得するんじゃなくて、師匠をダンジョン内に住ませて、師匠から時間をかけて習いながら、身に着けていこうと思ってるんだけど。師匠をどうしたらいいか、迷っていてね。アドバイスが欲しいんだけど。」


「なるほどですね。ガルドゥーニ様は、いろいろな職業を組み合わせて習得されていますので、それらを一人で全部教えることのできる人材を探すというのは、なかなか難しいと思います。

 鉱石の発見で資金・DPに余裕があるので、ここは思い切って複数の人材を購入されてみてはいかがでしょうか。何かご希望はございますか。」


「そうだね。魔術関連は、できれば実践・実用の活動的なタイプじゃなくて、研究室に籠って基礎魔学や理論を研究している理論派がいいな。

 実践については、基礎をキッチリ習得してからやっていけばいいと思っている。あとは、魔物使い、狩人は適当でいいけど、最後の最後の自己防衛と体力づくりのために、棒術というか杖を使って戦えるようにもしたいんだけど」


「分かりました。魔術・錬金術・鑑定・薬学・魔物使いの技術・狩人の技術と棒術ですね。そうすると、3~4人から5人は雇わないといけなくなりますが、よろしいですか。

 ですが、師匠兼迷宮づくりのアドバイザー兼最後のガーディアンと考えれば、多少、お金がかかっても大丈夫かもしれませんね。

 そうそう、忘れるところでしたが、ギムスより、銀の価格の査定が出たので、お金を入金してあります。とのことでした。お手持ちの資金の範囲内で、探してみますね。しばらくお待ちください。」


 そういって、いつの間にか左手に現れた自分のdPadをあーだ、こーだ、ブツブツ言いながら操作していく。そして、30分以上たった後、dPadの画面を僕の方に向け、


「こちらでどうでしょうか」


 と言った。何人(?)かの人材が画面には表示されている。それぞれを指差しながらアレレッティが説明をしていく。



 1人(?)目は、300年以上生きているマンティコアの魔術師だった。名前はヨンボスというらしい。魔獣界の洞窟に住み、時々、弟子をとって自身の身の回りの世話をさせながら、魔術の研究に打ち込んでいる。

 快適な住居と研究のできる環境を提供し、身の回りの世話をしてくれるのであれば、格安でダンジョンに住み込んでも良いということだ。

 ヨンボスからは、魔術と鑑定学を学ぶことができるだろう。あと、弟子として、角魔族の若者が1人ついてくるらしい。


 2人(?)目は、年齢不詳の鱗魔族の女性錬金術師でソフィーナ。魔界で錬金術の研究をしているが、研究費が足りずに、薬を作って売ったりしているが、そのため研究に打ち込めない。そこで、こちらも研究に打ち込める環境をしてくれるのであれば、格安でダンジョンに住み込んでも良いということだ。

 ソフィーナからは、錬金術と薬学を学ぶことができるだろう。こちらも、弟子がいるみたいでラミアが1人ついてくるようだ。


 この2人をみて、その高い能力の割に条件が良いことに驚いた僕は、アレレッティに尋ねてみた。


「アレレッティ、この2人は、能力の割に条件がすごくいいみたいだけど、何か理由があるの」


「そうですね。この方々は、ある意味、衣食住を提供して、自分の研究をさせてくださるパトロンを探してらっしゃるわけです。

 しかし、ダンジョンをおつくりになられる魔王様方は、直接戦える魔術師・錬金術師、ダンジョンでの戦闘になる薬を作る錬金術師をお求めになることがほとんどです。ご自分のダンジョンで研究をさせようなんて方は、めったにおられません。

 部屋と食事を提供すると言えば、喜んでこのダンジョンに来てくれると思います。ガルドゥーニ様の希望にも合う方々だと思います。」


「そうだねぇ。とりあえず、この2人なら、金額的にもぜんぜん問題なさそうだ。この2人は、話を進めましょう。」


「分かりました。商会の方で、連絡を取り、細かい条件等を確認いたします。」


「うん、よろしく頼みます。こちらとしては、食事・居室・研究室・書庫・倉庫などを提供する代わりに魔術や錬金術を教えてもらう。ダンジョンつくりのアドバイスをしてもらったり、こちらの協力依頼には応えてもらう代わりに、研究費や素材などを提供する。そんな感じでお願いします。」


 とりあえず、これで、魔術関係は大丈夫だろう。



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