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「武器も持たずに、我が焔に挑むか!」

 ゴーレムが巨大な溶岩の拳を振り下ろす。落下の衝撃だけで地面が爆ぜ、リナたちが吹き飛ばされそうになる。


 だが、カイは動かない。

 拳が鼻先に触れる瞬間、カイの体が「かすみ」のように揺れた。

 極限の脱力と、空気抵抗を計算し尽くした最小限の回避。


(無色一刀流——『』)


 カイは剣を持たぬ右手を、そっとゴーレムの腕に添えた。

「属性は、魔力の循環で形を作っている。……なら、その循環の『結び目』を断てばいい」


 カイが指先に力を込めた瞬間、目にも止まらぬ速さの「震動」がゴーレムの巨体に伝わった。

 物理的な打撃ではない。物体を構成する原子の結びつきに、直接干渉する無色の波動。


 ——パシュッ。


 音もなく、巨大なゴーレムの体が、霧が晴れるように崩壊していった。

 溶岩はただの泥に戻り、赤々と燃えていた魔力は虚空へと霧散する。


「な……ななな、何をしたの今!?」

 フェリスが目を見開く。

「ただの、マッサージだ」

 カイは平然と答え、工房の重い鉄扉を叩いた。

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