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 イグニスとの激闘の果て。

 カイの手の中で、長年連れ添った錆びた鉄剣は、細かな砂となって風に舞った。

 かつて師匠が「これで十分だ」と与えてくれた、何の変哲もない、だがカイの超常的な剣速に耐え続けてきた唯一の相棒。


「……終わったんだな」


 カイの呟きに、リナとフェリスが寄り添う。

 最強の特務官を退けた勝利の味は、砂のように苦かった。武器を失った剣士は、牙を抜かれた狼に等しい。


「カイさん……そんなに悲しまないでください。街一番の武器屋で、私が最高の剣を買いますから!」

「無理よ、リナ。リーダーのあの振撃に耐えられる剣なんて、そこらには売ってないわ。……属性が込められた魔導剣アーティファクトならともかく、リーダーの『無色』を受け止める器なんて……」


 フェリスが悔しそうに唇を噛む。

 この世界において、強い武器とは「強い魔力を通せる武器」を指す。魔力を持たないカイが振るう、物理限界を超えた速度と衝撃——それに耐えうるのは、属性を拒絶する「純粋な硬度」のみ。


「……心当たりがある」

 カイは、懐から一枚の古びた地図を取り出した。師匠が遺品の中に紛れ込ませていたものだ。

「この世界の果て。熱源の底に、属性を嫌い、ただ『鋼』のみを愛する偏屈な男がいるらしい」


「死の火山地帯デス・ヴォルカノ……。四聖ギルド『火』の本拠地のすぐ裏じゃない!」

 フェリスが驚愕の声を上げる。それは、敗北したイグニスの本陣へ乗り込むも同義だった。

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