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「……何よ、これ。どういうこと?」

 翌朝、ギルドの掲示板前でフェリスが低く唸った。


 迷宮都市ゼムの稼ぎ頭である巨大ダンジョン『天を衝く回廊』。その入り口が、真紅の重装歩兵たちによって完全に封鎖されていた。

「本日より、本迷宮は四聖ギルド『プロメテウスの焔』の管理下に置かれる。許可なき者の立ち入りは、反逆罪とみなす!」


 拡声魔法による非情な宣言に、周囲の冒険者たちは騒然としていた。

「ふざけるな! 俺たちの食い扶持はどうなるんだ!」

「中にはまだ、戻ってきてないパーティーもいるんだぞ!」


 抗議する冒険者の足元に、一本の炎の矢が突き刺さる。

「黙れ、ノイズ共。これは『聖座』の決定だ」

 赤いマントを翻し、特務官イグニスが悠然と姿を現した。彼の視線は、群衆の中にいるカイを正確に射抜いている。


「カイ……そしてその取り巻き共。中に行きたければ、我らの『試験』を突破してみせろ。……もっとも、中に残された者たちが、いつまで無事でいられるかは保証しかねるがな」


「……卑怯ですよ! 中の人たちを人質にするなんて!」

 リナが杖を握りしめ、顔を真っ赤にして叫ぶ。


 カイは無言のまま、封鎖線を見つめていた。

 いつも通りの無表情。だが、その周囲の空気だけが、真空に曝されたかのように薄く、鋭く変質していく。


「……リナ、フェリス。準備はいいか」

「リーダー、本気で行くのね?」

「当然だ。……俺たちの『家計』を邪魔する奴は、誰であれ斬る」


 カイの言葉は冗談のようだったが、その瞳には凍てつくような殺気が宿っていた。

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