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三人となった新生パーティーが、ギルドへと向かう。
Dランクへの昇格祝いと初依頼。だが、ギルドの中は昨日とは一変した、異様な緊張感に包まれていた。
「……おい、あの男だ」
「四聖ギルドが直々に調査に来るなんて、尋常じゃねぇぞ」
冒険者たちが道を開ける。
ギルドの中央には、真っ赤なマントを羽織った三人組の男女が立っていた。
その胸には、燃え盛る炎を象った紋章——四聖ギルドの一つ、**『プロメテウスの焔』**のエンブレム。
「君が、カイか」
三人の中心に立つ男が、冷ややかな視線を向ける。
炎のような赤い髪をしたその男は、腰に下げた魔導剣をカチャリと鳴らした。
「昨日の試験で、我がギルドの末端であるザギを、魔法も使わずに一撃で再起不能にしたそうだな。ギルド側は『偶然』と処理したが……我々はそうは思わない」
「…………」
カイは無言で男を見返す。
「私は『プロメテウスの焔』の特務官、イグニス。……無属性のゴミの中に、何か『不純物』が混じっていないか、確かめに来た」
イグニスの周囲の空気が、瞬時に発火した。
火属性の魔力が暴走し、ギルド内の温度が急上昇する。
「カイさん……!」
「リーダー、こいつ、ザギとはレベルが違う……!」
リナとフェリスが身構える。
だが、カイは一歩前に出ると、あえて剣を抜かずに、男の目を真っ直ぐに見据えた。
「鑑定は終わったはずだ。俺は無色だ。それ以上でも、以下でもない」
「言葉で証明する必要はない。……命で証明してもらう」
イグニスが手をかざした瞬間、カイの背後の壁が爆発した。
それは、本格的な「属性使い」と、カイの「無色の理」が初めて正面から衝突する前触れだった。




