75/283
屋上でのひと時4
「魔書資料室?」
なんだそれ?とでも言いたげな顔を向けられる。
「うん……」
この反応……知らないのかな?
と思っていると、ディオンはハッとした顔をして手をポンと叩いた。
「あぁ、あの本しか無い部屋だな」
それを聞いた瞬間、私はカッと目を見開いた。
「あの部屋がどうした……わっ!」
即座に席を立ちあがり、瞬足でディオンの横に移動した私は、額が地面にこすり付くほどに深く土下座をした。
「な、何してんだ!?」
驚く声が落ちて来て頭を上げると、ドン引きしているディオンの顔が映った。
「お願いします!私を――その資料室に入らせてください!」
「はっ……?」
「入らせてくれなかったら……私の首を絞めた事も、屋上から突き落とした事も、女子寮に入って私を押し倒した事も、全~部学園にバラすから!!」
「お前……お願いしてんのか、脅してんのか、どっちなんだよ」
「どっちも!」
キリっとした目で言うと、引きつった顔をしたディオンの顔が呆れた顔に変わった。
「お前……」




