どうして私たちの子供ばかり4
「そのネックレスは、シエルを守るためのお守りだよ。でも、今から言う約束をちゃんと守ってくれないと、このネックレスがシエルを守れなくなるかもしれないんだ」
「そ……そうなの?」
「そうだよ。だから今から言う事を絶対守ってほしい」
眉をぐっと寄せるお父さんは、私の細い二の腕をグッと掴んで真剣な眼差しを向ける。
「う……うん」
身の入っていない返事をすると、お父さんは私の目の前で人差し指を立てた。
「1つ目は、このネックレスを肌身離さず付けている事。
お風呂に入る時も寝る時も絶対に外しちゃ駄目だよ」
「えっ!?……寝る時も?首、しまらない?」
「大丈夫だよ。寝てる時も守ってほしいからね」
両親はもしかして、なんか変な神様でも崇めてるんだろうか。
「何から守ってくれるの?」
「うーん……悪い奴ら、からだよ」
「悪い……奴ら……?」
すると、お母さんがすっと間に入ってくる。
「そうよ。外は悪い大人が沢山いるのよ。シエルはまだ知らないけど、外は本当に危険がいっぱいだから……」
笑ってるのに泣いてるような顔をして言うその言葉に、よく分からないけど、やっぱり胸が苦しくなる。
「2つ目はね、これからはパパやママ以外の人と会うことも出てくるかもしれない」
お父さんは私がずっと手にしていた石を取ると、ポンッと襟ぐりから私の服の中に入れた。
「だから、外ではこんな風にお守りのネックレスが見えないように、ちゃんと隠す事」
「隠すの?」
「そうだよ。仲のいい友達が出来ても、絶対にこのネックレスの事を話しちゃ駄目だよ。付けてる事がバレたら意味がなくなっちゃうお守りだからね」
約束の理由がサッパリ理解出来なかったけど、話の感じからして、その約束を守ると言えば外に出してくれるんじゃないかと思った。
だから、私は迷わず頷いた。
この約束が――
この後の私の人生を大きく狂わすなんて……この時は両親でさえも知らない。
数日後――
不思議な事が起こった。
冬なのに手が異様に温かく感じて、ふと見た手のひらには、小さなお星様のようなものが飛んでいてキラキラと輝いていた。
「……わぁ……」
これが静電気なのか、なんの現象なのかは分からない。
でも、子供用の絵本も読み飽きてパズルもやりつくし、毎日が暇で暇で仕方なかった私は、その事に一気にテンションが上がった。
大急ぎでキッチンに立つお父さんの所に向かい、光る手のひらを見せる。
「パパーー!見てぇーー!!何か光ってる!」
するとお父さんは一気に目を丸くして叫んだ。
「え、え!?ど、どうして!?止めなさい!!今すぐに!!」
お父さんに怒鳴られた事なんて一度も無くて、一瞬で肩がすくんだ。
「え……と、と、止めるって……?な、何を?」
自分の口から弱々しい声が出る。
「いいから!止めるんだ!」
「え……っ?ど、どう……」
止めろと言われても、何をどうすればいいのか分からず、あたふたするだけの私。
すると、お父さんは堪忍袋の尾が切れたかのように、「早く!!」と私の手のひらを掴んだ。
その瞬間――
「熱っ!」
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