表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞受賞作】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?~あなたがくれた幸せの呪い~  作者: 花澄そう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/283

Fクラス特別講師4

「……ディオン……」

一度名前を口にしてから気付いた。

奴の名前を口にする事は、なぜか不快感よりも恥ずかしさが勝るということに。


こんな事、こいつにバレたら一大事だ。

キモイキモイ言われて馬鹿にされ、一生ネタにされるかもしれない。


と考えていると、なぜか奴は不満そうな顔で見下してくる。


「聞こえねぇよ」

「な、なんでよ!今言ったでしょ!」

「小せぇんだよ」


「くぅ……っ!!」

何を恥ずかしがってんの私!

こんなの、ただの言葉よ!


「ディオン、ディオン、ディオン、ディオン!はい!!これで聞こえたでしょ!」

と大きな声で叫ぶと、「うるさい」と言われて再びデコピンをされる。


「痛っ!」


さっきと同じ所にデコピンをされたせいで傷みが倍に感じる。

いや、それ以上かも。


言えって言われたから呼んだのに、なんて酷い奴!やっぱり講師失格よ!


涙目でにらみつけると、奴は私の描いたスケッチを指でコンコンと叩いた。


「で、この生き物はなんだ」

「ライオン……だけど?だってお題がライオンだし」

「まさか、これで完成か?」

「これで……完成だけど?」


私の言葉に奴はキョトンとした顔になり、突然、大きな手で顔を覆った。

何事かと思っていると、くるりと背を向けて肩を大きく震わせ始める。



ククッという声が聞こえ、そこで初めて笑われていると気付いた。

なんだか分からないけど、ふつふつと恥ずかしさが湧き上がってくる。


「なっ、なによ!」

「はー、まさかとは思ったけど……お前ってクソ程にセンスねぇな」

どう見ても()だろ、と追撃するように言われて、思わず立ち上がる。


「う、嘘よ!本当はまだ途中なのよ!今から仕上げるんだから!!」

「さっき、これで完成だって言ってたじゃねぇか。苦しいな」


「ま、間違えただけよ!集中できないから、どっか行ってよ!」

絵を隠してカンカンに怒ると、「集中しても一緒だろ」と言われ、キッとにらみつけた。


「私、こう見えても最近す~~っごく調子が良くて絶好調なんだから!」

「へぇ。じゃあ見ててやるよ」


「えっ……?見っ……」

片方の口角を上げて嘲笑あざわらうような視線が、私の絵に向けられる。

再びククッと笑う声が聞こえて、ますます恥ずかしくなる。


「ほら、やれよ。その絶好調とやらを見ててやるからさ」

「え……。いや……それは……ちょっと……」


この後、撃沈したのは言うまでもない。

↓☆☆☆☆☆をポチッと押して評価してもらえるとすっごく励みになります(>_<)よろしくお願いしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ