表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞受賞作】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?~あなたがくれた幸せの呪い~  作者: 花澄そう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/283

Fクラス特別講師3


「うわっ!」

ビックリして一瞬椅子ごとひっくり返りそうになった私は、なんとか体勢を持ち直し、膝に乗っていたラブを慌てて空中キャッチした。


「何だ?その生き物は」

「えっ?……私が召喚した熊のラブだけど……って、そんなのあんたも知って……」

「熊野郎の話をしてんじゃねぇよ」



講師なのに、相変わらず言葉遣い悪いな。

魔力だけじゃなくて、話し方も採用試験に組み込んでほしい所だ!


でも……こんなのでも()()講師なんだよね。


ってことは一応敬語を使うべき?

嫌だな。けどタメ口なんてよくないよね。何度も言うけど、()()講師だし。



「じゃあ、なんの話……ですか?」

敬語を使ってみたものの、次の瞬間、猛烈に後悔する。

こいつに敬語を使うと、自分の腸が煮えくり返りそうだ。


ラブの時に助けてくれたけど、2度も殺そうとしてきた事には変わりない。

しかも意味不明な恩まで売りつけて……



うやまう言葉』と書いて敬語だ。

魔力以外に敬う要素がなく、口も性格も悪いサイコパス講師に、敬語なんて必要なんだろうか?


「なんだ、そのキモい話し方は」

ドン引きの目を向けられ、やっぱり敬語なんて必要の無い相手だと、心の中で認定ハンコを押した。


うるさい!私だってあんたなんかに敬語なんて使いたくないわよ!でも一応講師だから仕方なく……」

「あんたあんた煩せぇな」


私に鋭い目が向く。

「名前、もう忘れたのかよ。お前のここは空っぽかよ」

そう言っていきなりデコピンしてきた。


「痛っ……!」

痛むひたいを押さえて、講師だなんて呼ぶのもバカらしいこの男をにらみつける。

「何すんのよ!」


「お前が脳のない馬鹿だからだろ」

っ……、名前くらい覚えてるわよ!」

「じゃあ、言えよ。覚えてるのかチェックしてやる」

「……えっ」

なんか嫌だ。こんな奴の名前を呼ぶなんて。


「よ、呼ばない!」

ってか呼びたくない!


「なんだよ。覚えてるなんて嘘だったんだな。やっぱ馬鹿確定か」

「覚えてるって言ってるじゃん!」

「じゃあ言えよ」

「うっ……」


くそー!

ただ、言いたくないだけなのに……


「ディ……」


「ん」

無駄に綺麗な目が、じっと私を見ている事に気付いて、なぜか目を逸らしてしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ