Fクラス特別講師1
あぁ……誰か、これが酷い夢だと言って。
いや。この日が来るっていうのは、ラブを召喚した日から分かっていた。
でも……やっぱり夢であってほしかった!!
「これから、このFクラスで週1回の特別授業の講師をする事になった、カミヅキ・ディオン様で~すっ!」
教卓でいつもよりワントーン高い声で奴を紹介するFクラス講師の隣には、あの男――カミヅキ・ディオンが無表情で立っている。
「よろしく」
そして、笑顔のひとつも見せない。
「カミヅキ様は凄い魔力の持ち主で、私たち常勤講師では到底使えないような魔法もたくさん使えます。また、知識も経験も豊富なので知りたい事があればじゃんじゃん聞いて自分のステップアップに活かしてくださいね!」
「はーい」と元気よく返事するクラスメイトたちに混じって、机の上のラブも遅れて手を挙げる。
「さっそくですが、カミヅキ様に何か質問したい人はいますか?」
講師は、肘を自分の胸に当てながら赤縁メガネをクイっと指で持ち上げて、大きな胸を揺らした。
今日の講師の化粧は明らかに濃い。
服装は、谷間までバッチリ見えてしまう位に大きく胸元の開いたシャツに、体のラインがハッキリ分かるタイトなミニスカート。
講師なのにその恰好ってどうなの!?小さい子もいるのに!
と文句を言いたくなる半面……
その凄く大きな胸が羨ましくないわけではない。
あぁ……誰か、これが酷い夢だと言って。
いや。この日が来るっていうのは、ラブを召喚した日から分かっていた。
でも……やっぱり夢であってほしかった!!
「これから、このFクラスで週1回の特別授業の講師をする事になった、カミヅキ・ディオン様で~すっ!」
教卓でいつもよりワントーン高い声で奴を紹介するFクラス講師の隣には、あの男――カミヅキ・ディオンが無表情で立っている。
「よろしく」
そして、笑顔のひとつも見せない。
「カミヅキ様は凄い魔力の持ち主で、私たち常勤講師では到底使えないような魔法もたくさん使えます。また、知識も経験も豊富なので知りたい事があればじゃんじゃん聞いて自分のステップアップに活かしてくださいね!」
「はーい」と元気よく返事するクラスメイトたちに混じって、机の上のラブも遅れて手を挙げる。
「さっそくですが、カミヅキ様に何か質問したい人はいますか?」
講師は、肘を自分の胸に当てながら赤縁メガネをクイっと指で持ち上げて、大きな胸を揺らした。
今日の講師の化粧は明らかに濃い。
服装は、谷間までバッチリ見えてしまう位に大きく胸元の開いたシャツに、体のラインがハッキリ分かるタイトなミニスカート。
講師なのにその恰好ってどうなの!?小さい子もいるのに!
と文句を言いたくなる半面……
その凄く大きな胸が羨ましくないわけではない。
爆乳っていうのはこういう事を言うんだろう。
カップにすると、GとかHカップくらいありそうだ。私のCカップとは全然違う。
私の事を『貧乳で貧相な体』と言ったあいつも、あれくらいあれば……
私は自分の胸元に手を当て目をやる。
……って……、何考えてんの!?私は!!
まるで、あいつの言った事を気にしてるみたいじゃん!
あんな奴になんて、どう思われててもいいのに!
「カミヅキ講師は、彼女っていますか?」
「いない」
「身長ってどれくらいあるんですか?」
「185cmだ」
高い!とざわつく教室。
でも、その声を一掃するように、奴が「くだらねぇ質問ばっかだな」と吐き捨てた瞬間、教室がシーンと静まり返った。
いやいや……くだらないって、そういうもんでしょうが!
それにしても、この男。
講師だったのに私を屋根から突き落とそうとしたり首を絞めて来たんだよね。
しかも夜の女子寮にも勝手に侵入もして来たし……いや?女子寮は講師ならいいのか?よく分からない。
でも、初めて会った時からずっとヤバい奴だとは思ってはいたけど……
『講師』と知ると、そのヤバさが一気に増した気がする。
いっそのこと、私にした事をバラして学園から追放するっていうのはどうだろう?
追放される奴の姿を想像すると、口の端が上がりそうになる。




