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優しさの形3
そして思った。
誤解される言い方をしてしまった、と。
「あ!ち、違います!その……、そういう意味じゃなくて……。尊敬していると言う意味で!!」
慌てて弁解をしたものの、逆に変に思われると気付いて俯いた。そんな私は、変な汗が滲んできた。
「すみません。変な言葉を使ってしまって……気持ち悪い……ですよね」
もう、恥ずかしさで死ねる!
時間を戻せるなら戻したい!
と心の中で叫んで膝の上で拳を作ると――
「……ありがとう。嬉しいよ」
その言葉に驚いて、私はそっとローレンを上目遣いで見上げた。
すると、口元に手を当てて顔を隠そうとするローレンの姿が映り込んだ。
隠しきれていない頬は真っ赤に染まり、それが耳の先まで続いている。
その姿に、私もつられるように耳まで熱くなった。




