表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞受賞作】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?~あなたがくれた幸せの呪い~  作者: 花澄そう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/283

召喚1


「カミヅキ様。今日の特別授業を拝見させて頂きました。

やはりカミヅキ様は他の講師とは格が違いますね。感服かんぷく致しました」


白髭しらが混じりの教頭が、ゴマをするように手を合わせながら横を歩いている。

俺は、その姿を見下ろし、心の中でため息をついた。



『今日だけは勘弁かんべんしてくれ』と。



昨夜、昔の夢を見たせいでろくに眠れなかった。

頭が全然回らないこの状態で、教頭のクソ長い話を聞かされるのは正直キツい。

いっその事、このまま消えてやろうか……


「カミヅキ様、週1回の特別講師(こうし)として再契約して頂きましたが……」

鬱陶うっとうしいな、なんだよ。

そう思いながら横目で教頭を睨む。


「常勤されるお考えなどは……」

「ない」

話が長引きそうな予感にさえぎるよう即答すると、教頭が焦りを見せた。


「そ、そうですよね。カミヅキ様ほどの方が、そんな事を考えたり致しませんよね。大変失礼いたしました」

なら聞いてくんな!と心の中で吐き捨て、早足で講師室へと向かう。


「実は、こんな事を聞いたのは理由がございまして」

その言葉に、再び教頭の方に目をやる。


「国からのお達しがあったのです」



「お達し?」

「はい。そうなんです。先日、下のクラスを早く育てよ、と通達が来まして……」

「なんだその話。どうして国がそんな通達してくるんだ。訳が分からん」

「多分ですが……()()が近いのかもしれません……」

目を伏せて言う教頭の言葉の意味が分からず、眉をひそめる。


「なんの時期だ?」

そう聞くと、教頭はハッとした顔をして、両手の手の平をこちらに向けた。


「あ、あくまでも私の予想や推測ですので、勘違いかと……」

「はぁ?」


「と、とにかく、カミヅキ様の授業は本当に充実したものです!なので複数クラスを受け持つ契約に変更したいと、学園長も申し上げておりました。ですが……やはり難しいでしょうか?」


断りてぇ。けど、国の意向に背くのは面倒だな。

まだ暫くはNIHONにいてぇし……



ってか、どうして下のクラスを押し上げたいんだ?

近年は卒業までにかかる年数が伸び傾向にあると聞いたが、それが原因か?


ここの設備費や食費など、莫大ばくだいな額がかけられているというのは有名な話だ。


学園内で魔力を使った内職を生徒にさせる事もあるらしいが、そんなのはここの維持費を考えるとすずめの涙だろう。


ってことは、節税の為に卒業させるのが国の目的か?

なら、育てないといけないのは下じゃなくて上じゃねぇのか?かなり長い目で見てるのか?


本当に節税の為に早く卒業させたいのなら、単純にルールを変えて早く卒業させればいいだけだ。

そもそも俺が思うに、こんなIクラスからSクラスまでなんて絶対必要ない。


本来の目的を考えたら、せいぜい5クラスあれば十分だろう。

なのに……こんな10クラスも無駄に作って。テストだって年に1回しかない。


前から思っていたが、このシステムは――あえて卒業を先延ばしにしているかのようだ。



やっぱ、国の考える事は相変わらずサッパリだな。



でも長年の経験で分かってる。

国の命には逆らわないっ方がいいって。


とりあえず、出来るだけその返事は先延ばしにしておくか。

「考えさせてくれ」



山のようにある職の中で1番労働時間が短いこの職を選んだのに、とんだ誤算だったようだ。


そんな事を考えているとも知らない教頭は、俺の返事を聞いた途端とたん、深々と頭を下げてつむじを見せた。


「よろしくお願い致します!()()()使()()()!」

その瞬間、心底イラっとした。


「おい」

「はい?」

俺は、頭を上げたばかりの教頭の口に指を向けてピシャリと言う。


「てめぇ……今なんて言った?」


「えっ、ありがとうございます、大……魔法……」

その瞬間、教頭はハッとした顔をして口に手を当てた。


みるみる青くなっていく教頭は震えそうな声で謝ってくる。


「も……ももも申し訳ございません」

「他の奴らがいる場所で()()()()を口にするなと言ったよな?」

初めて小説家に初めてなろうに登録、投稿させて頂きました。


超新人で至らない所はありますが。「面白い!」「続き読みたいな!」と思ってもらえたら、ブックマークや5つ星評価をいただけると、とても嬉しいです(*´-`*)

モチベーションが、ぐんと上がります( *ˊᵕˋ*)

ぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ