殺人鬼と呼ばれる子7
次に学園長と会ったのは、2年後だった。
もう何も言ってくれないし、お手製のリンゴジュースも作ってくれない、寿命を全うした学園長だった。
葬式場で知ったけど、学園長は600歳を超えていた。
あと、学園長は僕と一緒で、物心つく前に魔力を暴走させ、家族を殺してしまった希少人物だと言う事も知った。
最初から違和感があった。
他の講師と違う、まるで見守るような目。
その違和感について深く考えたことはなかった。
けれど、あの目は――まるで、自分自身を映しているかのような視線だったのかもしれない。
「うわぁぁ……学園長……」
「学園長ぉ……」
沢山の人達が学園長の死に涙する中、自分は淋しさより悔しさを噛み締めていた。
学園長が死んだと知らされて、初めて自分の気持ちに気付いた。
家族みたいに一緒に住もう、そう笑いかけてくれた学園長と……一緒に住みたかったんだと……
今更そんな自分の気持ちに気付いたところで、もう遅い。
なんであの時、一緒に住むとちゃんと言えなかったのか。
その理由は分からないし、言えなかった過去の自分を酷く責めて後悔した。
人と住むって幸せ?
家族って、どんなもの?
……そんなことを教えてくれる人なんて……
もう、この世にいない。
殺人鬼と呼ばれる子はここまでになります(^^)/
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