表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞受賞作】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?~あなたがくれた幸せの呪い~  作者: 花澄そう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/283

学園最弱の存在 Fクラス-16歳-2

「やめて!」


「あんたが調子に乗ってるからでしょ!」


「じゃあ……教えてよ。あんた達のどこを敬えばいいのか」

「は?」


「だって、敬語はうやまう相手に使う言葉でしょ?

ローレンに声をかける勇気もなく、影でコソコソ悪口ばっか言ってるあんた達のどこを敬えばいいのか、教えてよ!」


私の言葉に、目の前の2人はタコのように顔を真っ赤にして震え出す。



「私が給食当番の時のエプロンを破いたの、あなた達でしょ?」

2人の表情がピクリと変わる。

「な、なんのことだよ!?」

その動揺を見逃さなかった私は、かまをかける。


「もしかして、ドアの貼り紙の絵のモデルは、あなた達だったのかしら?」


その言葉に、髪の長い方がカッとなって叫んだ。


「お前に決まってんだろ!このクソビッチが!」

「駄目だって!」

慌てて髪の短い方が彼女を止める。


「……あっ!」

自分の失言に気付いた髪の長い方が、あからさまに焦った表情を浮かべた。

どうやら、ビンゴらしい。

この反応、たまたま通りがかって見た人の反応じゃない。なのに、白を切るつもりだった。


「やっぱり、あの絵()あなた達だったのね」


にこっと笑ってそう言うと、ギリッと歯を食いしばりながら、私を睨み返してきた。


「うるせぇ!黙れよ!魔力もろくにないくせに!身の程を知れ!」

苛立ちを隠せない様子で怒鳴る髪の長い方は、突然空に向かって手を振り上げた。


その瞬間、前世の記憶が鮮明に蘇る。

親に叩かれた時の光景がフラッシュバックし、体が反射的に縮こまった。


その時――




「何やってんだ」

低く冷たい声が耳を打った。


ゆっくりと目を開けると、視界に飛び込んできたのは、揺れる白銀の髪。



「…………えっ」


白く長いまつげにふち取られた輝くあおい瞳を見た瞬間、私は固まってしまった。


目の前に現れたのは、この世で最も会いたくなかった人物。

けれど奴は、私を助けるように、私に手を振り上げようとしていた女の手をつかんでいた。


「おい離せよ!って、きゃあああっ~~!」


女は男を見た途端、さっきまでの威勢いせいが嘘のように消え失せた。

ほほだけでなく耳まで真っ赤に染め、高い声を出す。


そして、掴まれている自分の手を見て、「はぅ……」と変な声をらす。



その時、学園内にチャイムが鳴り、渡り廊下にもその音が反響はんきょうした。



2人組は、「つ、次からは気を付けてよ!」と捨て台詞を残し、さっきとは別人のようにほほを赤らめながら、何度も奴を振り返って上級クラスの建物へと去って行った。


「なんだ、あいつらは」

目の前の奴はポツリと呟く。


不思議な気持ちで2人を見届けたあと、奴を見ると、鋭いナイフのような目が私をとらえていてギクリとした。



「久しぶりだな。クソガキ」


またその呼び方……

クソガキじゃないし。


っというか、そんな事より……

「なんでいるの?……卒業、したんじゃないの?」

↓☆☆☆☆☆をポチッと押して評価してもらえるとすっごく励みになります(>_<)よろしくお願いしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ