表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞受賞作】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?~あなたがくれた幸せの呪い~  作者: 花澄そう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

248/283

招かざる訪問者1


ヴァイスに重症を負わせたことで戦争は収束し、NIHONが完全勝利をした。

それは、今や世界的ニュースになっているらしい。


そして、ヴァイスは暗黙の了解を破ったとして、リヴァーバル帝国の塔に入っているそうだ。



シエル目線――


戦争が終わった翌日。

学園に戻ると、昨日の喧騒けんそうが嘘のように、いつもの平和な光景が広がっていた。


以前と変わらないような光景。

食堂ではいつものように賑やかな声が飛び交い、大浴場も、以前のように穏やかな空気が流れている。


でも――私の心は全然穏やかではない。



その理由の一つは、ディオンとローレンがまだ目を覚ましていないこと。



ディオンは危険な状態だったけど、戦地で私が治癒魔法を使い、なんとか持ちこたえさせた。

学園に戻ったディオンを診た看護師は、そのうち目を覚ますと言ったけど、もう5日も経っている。


当たり前だけど、ディオンが戦地にいた理由を聞かれた。

髪色が出陣時と違っていたおかげか、『私が魔力の暴走をしかけたのを遠くから察知して、駆け付けてくれたんです』と答えたけど、誰も私の言葉を疑わなかった。


ちなみに、ディオンだけ特別室のような病室を用意してもらっていた。

その特別室に、多くの女子生徒が詰めかけたせいで、立ち入り禁止になり、警備員まで配置されてしまった。

だから、あの日から一度もディオンの姿を目にしていない。


「今日こそはカミヅキ様の寝顔を見れると思ったのにっ!」

「お見舞いくらいいいじゃんね~!あの警備員め!超ケチ!」

こんな声が廊下を通るたびに耳に入ってくる。



一方、私を助けて重症を負ってしまったローレンは、上級クラス棟の最上階の端に特設された戦後の医務室のような部屋で、今も眠り続けている。

二人が目を覚まさない限り、心の不安は消えないままだ。



だけど、それだけじゃない。

私の心が晴れない理由は、もう1つある。


それは――

私を殺した犯人が、()()()()()()()()()()()という疑いだ。




あの……髪の長いディオンが頭から離れない。


がけの上で私が意識を取り戻した時、ディオンは黒髪のロングヘア姿で倒れていた。


あの姿は、私が学園で見失ってしまった後ろ姿と、前世で死ぬ前に見た姿と、あまりにも酷似こくじしていた。


思い返すと、ディオンの声があの私を殺した奴に似ていると、過去に何度も思った事があった。



この世界と、前世の世界は別物。

だけど、ディオンなら大魔法使い様なんだから、前世の世界に行く事も可能なんじゃないかと思う。

書庫で読んだ情報を元に考えると、逆にディオンクラスじゃないと行けない気がする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ