表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞受賞作】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?~あなたがくれた幸せの呪い~  作者: 花澄そう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

222/283

裂かれた大地11

「頼む、手伝ってくれ」


俺はこう言うしかなかった。

こうしな、俺はこいつらを殺してしまいそうやから……



色々考えた結果、俺は、シエルちゃんがこの場にいたことを秘密にしてもらう事にした。

こんな事が学園中で知れ渡ったら、あまりにもかわいそうやと思ったから。


幸い、俺の意見に全員が一致して賛同さんどうしてくれた。


すぐに倒れていた男たちを保健室まで運び込み、その後は人があまり出歩かない夕飯時間を待って女子寮に向かう事にした。



「もうすぐご飯時間やけど、結局どうする?」

「どうしようか……」

「シエルちゃんの部屋は知ってるし、鍵を開けるのはジョンが出来るけど……そこに行くまでがなぁ……」


人通りの少ない壁沿いの道で女子寮に行くにしても、見つかったら俺らは一巻の終わりや。

まぁ、後で誤解は解けるかもしれんけど、そうなったら学園中に今回の事が知れ渡ってしまう。

シエルちゃんの事を考えると、それは避けたい。



「うーん、シエルちゃんは、不思議なほどに目ぇ覚まさんしなぁ……」


「もうシーツでもかければいいんじゃない?」

保健室に様子を見に行ってくれていた友人が帰ってくると、この部屋にあったシーツをシエルちゃんにかぶせた。


「余計怪しいし目立つわ!」

と、すぐにシーツを取っ払う俺。




「ってか、あいつら目覚めたか?」

「ううん、まだ」

「そうか……」

「看護師は、ある程度回復したらしばらく席外すって言ってたから、そのタイミングで叩き起こして、何が起きたのか聞き出そう」

「……そうやな」


ホンマにどうしたらええんや。


気を失ってる絶世の美少女シエルちゃんを運ぶ野郎なんて、怪しい以外の何者でもない。しかも衣類の状態も思わしくないし。


男子寮から女子寮はある程度の距離がある。

完全に誰にも見つからずに到着するなんて……そんなん出来る気がせーへん。



透過とうか魔法や瞬間移動が使えたら楽なんやろうけど、そんなの使える生徒は学園内におらん。


浮遊ふゆう魔法を使える人間はいるけど、シエルちゃんとサオトメしか知らん。


なら頼めるのは自然とサオトメになるけど……、こんな状態のシエルちゃんをあいつが目にしたら…………絶対にヤバイ。

保健室が血まみれ大惨事だいさんじになってしまうのが一瞬で想像出来てしまう。



……なんかいい手はないもんか……



「うーん……」

うなりながら考えていると、ふとある方法を思いついた。


「あっ!せや!お前変身の魔法使えるようなったって言ってへんかったっけ?」

そう言って友人に顔を向けた。


「使えるようになったけど、大した変身は出来ないって前に……ってまさか!」

友人の顔が驚きに変わる。



…………


……


「なんやこれ!どっからどう見ても、完全に()()やん!」

と叫ぶ俺。


「あー、こんなの誰かにバレたら死ねる!」

と真っ赤になって顔を隠す友人。


「だから、大した変身は出来ないって言ったじゃん」

変身魔法をかけた友人は、そんな俺らを笑いながら

「でも、アラン以外は成功じゃない?」

と続けた。


確かに、その通り。

髪は長く伸び、顔立ちはどこか女の子らしく変わっている。

制服も女子用に変わっていた。


けど……なぜか身長はそのまま!



「こんな、巨女めっちゃ目立つわ!」

俺181cmあんねんで!


「アランは背が高いからなぁ……」

「背を低く出来へんのかいな」

「部分的な変身はまだ出来ない」

「ぐっ……」


「でもさー、アランすごっく綺麗だよ」

「……は?何言うとんねん!」

褒められて何故なぜか照れてしまった俺は、少しでも身長が低く見えるように、シエルちゃんを低姿勢でおんぶした。


「もうええわ。これで行くわ」


頼むで。バレやんといてくれや。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ