表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大賞受賞作】私を殺したのは、大魔法使い様ですか?~あなたがくれた幸せの呪い~  作者: 花澄そう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

158/283

4カ月遅れの誕生日7

これくらいの距離……?

浮けるようになったばかりの私に、あんな数キロ先まで一人で移動しろだなんて……


米粒よりも小さくなったディオンの姿に、怒りよりも焦りが湧いてくる。


でも……なんとかして追いかけないと!

迷子になっちゃう!


「浮くのがイメージなら進むのもイメージ?……だよね?」

そう呟きながら、必死に進むイメージを頭に描いてみる。


すると、体がユラユラと揺れ始めた。けれど、前には全然進まない。

ふと足元に視線を落とすと、すくむほどの高さが目に飛び込んできた。

万が一、何かが間違って落下し始めたらどうしよう、という恐怖が襲う。



もうディオンの姿はどこにも見当たらない。


「酷い……。やっぱ鬼畜講師だ」

涙で滲む視界の中、そう呟いた時、真後ろから声が飛んできた。


「誰が鬼畜講師だ?」



驚いて首だけ振り返ると、そこには不機嫌そうな顔をしたディオンがいた。


「にしても魔力が高けぇクセに下手くそだな。センスがねぇんだな」

ライオンを描こうとしてあの猫だったしな、と言われてぐうの音も出ない。


「うっ……」

「ちゃんと進みたい方向に向かうイメージを持て」

「そんなのやったよ」

「いいや。お前が持つイメージは中途半端なんだよ」

私が持つイメージなんて、どうやってディオンに分かるのよ!



すると、突然ディオンは私と顔を並べた。

お互いの耳が触れるほどの至近距離に、心臓が高鳴る。

するとディオンは、私がさっき指した明るい場所を指差した。


「『飛ぶ』事だけをイメージするんじゃなくて、『どこ』に向かって『飛ぶ』のかをしっかり明確にイメージしろ」


どこに向かって、飛ぶのか……

なるほど。ようはイメージは具体的にっていう事ことね。



「わかったなら、やれ」

「う、うん」


私は、あの賑やかで明かりの集まる場所をじっと見つめる。

そして目を閉じて、そこに向かうイメージした。


すると……



「す、進んでる!!」

超ゆっくりだけど!


「見てみて!ディオン!ちゃんと進んでるよ!」

嬉しくなって言った言葉に、ディオンは「当たり前だ」と返してくる。


ちょっと……っ!!

『凄いな』とか『おめでとう』とかないの!?と心の中で盛大な文句を言ってのけながら振り返る。

すると、目に映ったディオンの姿に、そんな文句も一瞬で消えた。


言葉こそ悪いけど、ディオンの目は、その言葉にそぐわない位にとても温かくて、まるで私を見守ってくれているかのように見えたから。



……そんな目をされると、調子が狂う。

↓☆☆☆☆☆をポチッと押して評価してもらえるとすっごく励みになります(>_<)全然評価ない。

もし少しでも面白いと思って貰えたら、ブクマしてくれると鳴いて喜びます(´;ω;`)ウゥゥ

よろしくお願いしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ