1000~2000人に1人の存在5
これ以上、この人達の言葉に耳を傾けてはいけない。
そう思うのに、気づけば聞き入ってしまっている。
「それだけじゃない。最悪の場合は、バーン!って町ひとつが吹き飛ぶこともある。そうなったら物心つく前に大量殺人鬼扱いで酷い人生を送る羽目になるらしいぜ」
町が吹き飛ぶ……?
物心つく前に大量殺人鬼扱い……?
もし、この人達の言う事が本当なら、なんで両親はそんな危険を理解していながら、私をその魔力検診とやらに連れて行かなかったんだろう?
「まぁ……それは本当にレアケースだけど、そこまではじゃなくても身近な人を傷つけたり、火傷させたりとかは本当によくある話だ」
そう言われて、お父さんの火傷した手の映像が一瞬で脳裏に現れる。
「あっ……!」
あの火傷って……まさかっ!!
私は思わず自分の口元を覆った。
その時、突然目の前の半透明ボードの画面が変わる。
魔法使いとそうでない人達が手を繋いで笑っている、どこか胡散臭く見える子供向けのイラストが現れる。
丸眼鏡の男は眼鏡の真ん中に触れると目を細めて口を開く。
「私達はそうした犠牲者を生み出さない為に、魔力を持つ子供をこの学園で保護し、育成している。
魔力と持つと判断された者は、卒業するまで一切この学園を出ることは許されない」
「学園長!そんな堅苦しい言い方だと5歳の子供には伝わらないっすよ」
クリフという人がそう言って笑うと、丸眼鏡の男は眉間にシワを作った。
私はそんな2人の間を割るように口を開く。
「もし……もしその話が本当なら、私は今からその魔力検診を受けて、魔力がないと判断されたら返してもらえるんですよね?」
あのキラキラや負わせた火傷が、魔法な訳ない!
「いいや、君は本日付けでこの魔法学園に入学が決まっている」
「……え、なんで??私がまだ検査を受けてないから連れて来たんでしょ!?」
「いいや、違う。君からはすでに魔力を感知している。検査の必要はない。
かなり微弱だが、先ほど魔力感知器も確かに反応を示していた」
「えっ……嘘……」
私に、魔力が……!?
「ここは国が管理している日本でただ一つの正式な魔法学校だ。別に君を悪いようにはしない。
時々、国のボランティアとして色々手伝ってもらう事もあるが、それ以外は有意義に過ごせるだろう。おい、クリフ。学園内を案内してやれ」
丸い眼鏡の男は、クリフという男に顎で指示をした。
「はいはいさー」
私、どうなってしまうの!?
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