どうして私たちの子供ばかり7
その事に驚いた私は、体勢を崩して高い椅子の上でグラついてしまう。
「うわっ……」
ドアと反対側に後頭部から落ちそうになって、咄嗟に目の前にあったドアの取っ手を掴んだ。
すると、横向きになっていた取っ手がガチャンという音と共に下に降りて縦になった。
そのままゆっくりとドアが開いていく。
隙間から強い光が入り込んで私の顔を照らす。
玄関のドアが開く様子は、なぜか不思議なほどにゆっくりに感じた。
そして次の瞬間――
ガンッ!と椅子が倒れた音が聞こえ、少し遅れて顔面に痛みが走った。
「痛っ……たぁ~」
顔の痛みに泣きそうになりながら、顔を押さえてゆっくり目を開ける。
すると目の前には、誰も住んで無さそうな古びた団地の廊下みたいなものがあった。
私は椅子ごと玄関の外に倒れるような形で、念願の脱出に成功したようだ。
「嘘……本当に、で……出れた……」
じわりと出れた喜びが満ち溢れて来ると、鼻から何かが出て来た感じがして手を当てた。
自分の指には真っ赤な血が付いていて目を見開いた。
「あ……鼻血だ……」
その時、どこからともなくお母さんの声が団地のようなの廊下に響いた。
「シエル!何してるの!!早く部屋に入りなさい!」
や、ヤバい!きっと椅子が倒れた音でバレたんだ!って、まだそんな近くにいたの!?
慌てて椅子を玄関に押し戻し、ドアを閉めた途端、ガクっと項垂れた。
「あーあ、私の大冒険も、たった数十秒で終了か……」
もう少し外の様子とか見ておきたかったのに……
でも、鍵が開けれるというのが分かったし、やっと復讐への一歩を踏み出せた気がする!
次はもっと慎重にドアを開ければ……っ!
玄関に背を向けたままガッツポーズをした時、閉めたばかりのドアが目も開けれない程に眩しく光り輝いた。
驚いて振り返った私は、すぐに腕で日差しを作るけど、それでも眩しくて目なんて開けれない。
――何?
そう思った瞬間、傍で知らない男性の声が耳に飛び込んで来た。
「おい、感知したのはこの子からか?」
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