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3、呪われた女騎士

 追放された俺は地方都市のマルドホーンに辿(たど)り着いた。魔物も出ない平和な都市だ。俺が宿を探して歩いていると、ふらふらとみずぼらしい女が歩いているのが目に入った。(ほお)がこけ、目の下には(くま)がある。


「旦那、あの女は王国の聖騎士のレイカでさ。魔王との戦いで傷を負って、今は乞食でさ。町の(わら)い者ですよ」


 中年の男が話しかけてきた。奴隷商人のようだ。


 俺は急いで女に駆け寄った。


「大丈夫かよ」


「う……魔王にかけられた呪いで殺される幻覚を見るの。この幻覚のせいで勇者パーティーも追放されて実家も追放された。うう……」


 何だって! この子、俺と同じ境遇じゃないか! 肉体的には損傷していないが、精神的には相当参っているな……。


 俺はふらつくレイカをお姫様抱っこすると、急いで宿に駆け込んだ。








 俺はレイカをベッドに寝かせた。俺はレイカの胸に手を置いて、どのような呪いがかかっているのかを探る。レイカが悲鳴を上げた。可哀そうだが、耐えてもらうしかない。


(かい)(じゅ)


 強力な呪いがかけられている。だが、俺は高等魔法で呪いを解くことにした。俺のレベルは80。勇者パーティーの中じゃ、一番低かった。だが本当は『何でも治癒』というチートスキルを持っている。10歳の時に授かった天界からの付与スキル。俺は両親に隠して、そのスキルに(みが)きをかけた。高等魔法を難なく操れるし、どんな怪我でも治せる。死人を生き返らせることすらできる。


 女聖騎士レイカが目を開いた。


「すごい。苦しみが、消えていく……。体が軽いわ」


 レイカが起き上がる。良かった。治ったようだな。ぼろぼろの衣服を(まと)ってやつれ果てたレイカ。可哀そうに。


「ありがとう。クラッド」



 レイカが笑顔を見せる。人から感謝されるのはやはり心地いい。


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