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『稽古』


「さてと、今日はこのぐらいかな」


 青いストレートの髪に青い瞳の女性、元ゴッドファイア王国騎士団団長で俺の親代わりをしてくれているエイル・ファフニールが言った。


「はいっ!」


 俺の両親は、俺が8歳の頃悪魔によって殺された。


 当時、17歳だったエイルさんは俺を引き取り、その時からずっと俺を育ててくれている。


「それにしても、だいぶ強くなったわね」


「もう8年もずっと稽古をしてるからね」


 エイルさんは、よく俺と剣の稽古をしてくれる。


 8年間ずっと稽古をつけてもらっているが、16歳で騎士団団長になった超人なだけあって、いまだにエイルさんに勝ったことはない。


「フレイ、明日はついにスキル給付の日だね」


「ああ、時の流れは早いな」


 この世界では、16歳になると神様からスキルを与えられる。


 16歳の誕生日の日、教会へ行くとどんなスキルが与えられたのか確認することができる。


「スキルをもらったらどうするの?ずっと私とここにいる訳にもいかないでしょ」


 その答えならもうとっくに決まっている。


「エイルさんと同じ、騎士団に入って父さんと母さんを殺した悪魔共を....」


「フレイ」


 エイルさんの問いに答えようとすると、エイルさんに止められた。


「復讐は何も生まない。復讐なんかで大事な命を使うことはないよ。悪魔なら私が倒す」


「でも....」


「ほら、家に帰るよ。明日はフレイの誕生日だし、色々準備しないとね!」


 復讐は何も生まない、そんな事を言われても俺はそれだけを考え、この8年間を過ごしたのだ。今更それを違えることなどできない。


「明日は、教会に行くの?」


「うん、そのつもりでいる。自分のスキルを把握しておきたいし」


 するとエイルさんは、少し寂しそうな顔をして言った。


「誕生日から2日の間はスキルの確認ができるし、明日は家にいない?」


「どうして?」


「私が寂しいから?かな」


 エイルさんの口から、寂しいと言う言葉が発せられたのはこれが初めてだ。


 誕生日の日ぐらい一緒にいても良いかもしれない。


「分かった、明日は家にいるよ」


 そう言うと、エイルさんは蔓延の笑みを浮かべて言った。


「ありがとう!明日は家で盛大な誕生日会をしようね」


 その後、家に帰るまでエイルさんはずっと寂しそうな顔を浮かべていた。


 普段とても元気な彼女に、いったい何があったのだろう。


 そんなことを考えて歩いていると、ふと一輪の花が目に止まった。


 とても綺麗な青色の見ていると心が和む、美しい花だった。

エイルに一体何があったのか....

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