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赤名の狩猟者  作者: ライ
1章「ベータテスト」
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鉱山_1

 私とフレイさんが鉱山に入ると若干暗いがフレイさんのランタンのおかげで暗視より遠くまで見ることができている。

私は洞窟を歩きつつフレイに気になったことを聞いてみることにした。


「そういえばフレイさん。ここって鉱山跡地なの?」

「そうだね、昔は鉱山として使っていたみたいだけど魔物が住み着くようになって放棄したんだって」

「そうなんだ。どこでそんな情報もらったの?」

「お世話になってる鍛冶師さんに教えてもらったんだ。そして初心者はここの鉄鉱石で練習しろって言われちゃって」

「そうだったんだ。それで一人でここに来て魔物にやられたと」

「お恥ずかしながらそういうことだよ」


 フレイさんと話していると少し遠くから「キィーキィー」と甲高い声が聞こえてくる。その声に私は太ももに差しているナイフを1本取り出す。そして目を細めることによって遠くから来る赤い2対の光が見えた。その目の中央目掛け手荷物のナイフを投擲し、ナイフを追いかけるように駆ける。


「っし」


 近づくと上から眉間にナイフが刺さったコウモリが降ってくる。私はそのナイフの柄を掴み横に振り抜く。クリティカルにでもなったのかそれでコウモリはポリゴンとなり消えていく。それを見ていたフレイが目を丸くして私を見ていた。


「フレイさん大丈夫?」

「はい・・・、大丈夫です。それにしてもかっこよかったです」

「なんだろう褒められてる気がしないな」


 少しの間ぼーっとしていたフレイさんが覚醒したことを確認した私は坑道を少し奥に進む。するとフレイさんが立ち止まり腰に挿していたピッケルを取り出す。


「赤名ちゃんちょっと待って。ここで採掘できるから少しの間守ってくれる」

「了解、私は警戒してるね」

「お願い」


 フレイさんと話を終えたあと、周辺を警戒している。フレイさんが掘削するカンカン、カンカンという音が坑道内に響き渡っている。その音に惹かれたのか3種類の影が視界に入ってくる。2体はさっき倒したコウモリ、地を這う小さい生き物が2体と人の大きさでゆっくりと近づいてくる人影だ。


「へぇ面白いじゃん。見た感じくる方向は進行方向からゾンビ1、岩虫2、コウモリ2か」

「赤名ちゃん敵?」

「そうだけど掘ってていいよ。そこまで時間かからないし」


 私はそう言いつつ左手にナイフを持ち右手は開けておくそして5体の影へと駆けていく。その過程で地面に転がる石を2個ほど取り、コウモリに向けて投げる。するとコウモリに当たらないまでもコウモリのすぐ近くを通り過ぎ天井に突き刺さった。コウモリはナイフが通り過ぎたことにより起きた風でバランスを崩している。その間にもう1本のナイフを取り出す。


 地面を這ってくる虫は足で上に蹴り上げてから、ゾンビに向けて蹴った。蹴るとゾンビは自己防衛のためか手を振り下ろして叩き落とした。


「chiki!!」


 足に飛びついてくる虫はジャンプして壁に足をつけることで躱す。そのまま壁を蹴りナイフをコウモリに投擲。空いた手を天井の出っ張りを掴み振り子の要領でナイフで狙ったコウモリに飛んでいく。そのまま天井に刺さったナイフを掴みナイフを軸としてくるっと回る。

 それによって敵の裏に回ることができた。今までの一連の行動で私にある程度のヘイトが貯まる。だがダメージを与えることが出来ていないコウモリと虫などは未だにカンカンと音を立てるフレイさんの方に顔を向ける。その中でもゾンビは一番近い私に近づいてくる。

 私はゾンビの脇を通り過ぎコウモリのあとを追う。岩虫との距離が詰まったところで一度振り返り右手のナイフをゾンビの目を狙い投げる。だが狙いが甘く肩に刺さってしまった。そのまま態勢を低くし岩虫を掴むそのまま狙いを定めコウモリの背に岩虫を投げる。投げられた岩虫は足をバタバタさせながら石の部分がコウモリにあたりコウモリの高度と速度が落ちた。そのままコウモリとの距離をなくし、翼を残りのナイフで斬った。


「キィ!!!」

「もう君たちうるさいよ」


 それだけ告げるとコウモリを回し蹴りで岩壁目掛け蹴り飛ばす。蹴り飛ばされたコウモリは声を上げることもなくポリゴンとなった。これで残るは3体で手持ちのナイフが1本。だけど戦いなれている奴らとなる。私が次に標的にしたのは鉱山につくまでに散々戦った岩虫にした。岩虫は背中は硬いがお腹の部分が柔らかいので対処はしやすい。走りつつ蹴り上げることによってダメージは入るがそれでお腹がむき出しになったところに攻撃を入れる。そのままサッカーボールのように岩虫を蹴りつつゾンビに近づく。


「はい、これで虫1匹目」


 私はゾンビとの距離を詰めたところで腰に下げている双剣の内の1本を投げることで倒すことができる。そのまま消えていったことによって地面に剣がカランと音を立てて落ちた。


「え~っと。もう1匹目の虫はっと。いたいた、あれなら放置でいいかな」

「オォォォォォォォ」


 うめき声を上げながら近づいてくるゾンビの足にカジカジと岩虫が噛み付いている。ゾンビはそれを気にした様子もなく近づいてくる。近づいてきたゾンビへ跳びゾンビの肩に足を掛ける。そのまま足にぐっと力を入れると「ぐにっ」と足が沈んだ。嫌な感触を感じつつ手を伸ばし肩に刺したナイフの柄を掴みナイフをグルッと回転させる。

回転したことによってゾンビの肩に丸い穴ができあ上がり勢いに任せて前へ跳ぶことにした。


「痛ッ。無茶したな」


 私は無理に体を動かしたことによって体力にダメージが少し入るがしばらくすると痛みが引き普通に動けるようになった。ゾンビを見てみると体力が既に半分以上削れている。そのまま近づき思考入力で【ダブルスラッシュ】を使い更にゾンビの体力を削る。夜に散々戦ったことによってゾンビの速度ではスキル使用後の硬直中に当たることがないのはわかっている。ゾンビが腕を振り上げたところで身体が動くようになり、その場で軽く跳び首にナイフを突き立てた。それが止めになったのかゾンビが消える。そして足をガジガジしていた岩虫はナイフをお腹に刺して終わる。


 魔物を倒し終わったところでフレイさんの下に戻るとアイテムの整理をしているのか指でメニューを操作しているような姿が見えたので声を掛けた。


「フレイさん。終わりましたか?」

「おかげで採掘は順調に終わったよ。それにしてもよくあの数を倒せたね」

「まぁほとんどが戦ったことのある魔物でしたし」

「そうなんだ。私はゾンビは初めて見たな」

「夜になったらいくらでも見れるよ」

「夜外出たことあるんだ」

「うん、昨晩ずっと戦ってたから」

「えっ、赤名ちゃんいまのレベルってどのぐらいなの?」


 私が自分のステータスを確認してレベルが7まで上がっていることを伝えるとすごく驚いていたのが印象に残った。


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名前:赤名 Lv:7


装備

武器:護身用ナイフ×2

頭:

胴:初心者の服

腕:

足:初心者のスカート

靴:

アクセサリ:


★STR:22

VIT:17

INT:17

MND:17

★AGI:30

DEX:17

LUC:17

★RES:22

★3D:29


スキル

双剣:Lv7、双剣術:Lv2、STR強化:Lv7、AGI強化:Lv7、3D強化:Lv7

投擲:Lv5、罠:Lv1、危険察知:Lv4、認識阻害:Lv5、収納ボックス:Lv5

暗視:Lv4、格闘:Lv1


残りスキルポイント(6)

残りステータスポイント(0)

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[気になる点] >私はそう言いつつ左手にナイフを持ち右手は開けておくそして5体の影へと駆けていく。その過程で地面に転がる石を2個ほど取り、コウモリに向けて投げる。するとコウモリに当たらないまでもコウモ…
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