開く扉
実質初投稿です。
「なあ、ガガーリン知ってるか」
「隆、なんのことさ」
「宇宙ってひろいんだぜ」
「そんなこと知ってるさ。なんなら俺は、地球が青いのも見たし、宇宙人だって見たぜ」
「そんなことは何回も聞いたさ。でもそういうことじゃないんだ」
「あ?じゃあどういうことなんだよ」
「...どういうことなんだろうな...」
「はぁ?...アホなこと言ってないで、続きしようぜ」
「...そうだな」
平穏はいつまで続くかわからない。なぜなら宇宙は広いから。
夏。セミたちの鳴き声が、脳を揺さぶる。
学校が終わった俺こと月有 隆は、家路を急いでいた。
まったく、こんな暑い日だってのに学校はさ。生徒を集めて何がしたいってんだ。
天日に熱されたコンクリートの上を、早足で歩いていく。
そのとき、視界に一匹の猫が移った。
「おい」
猫が話しかけてきた。いや猫ではない。
「ガガーリンじゃないか、何してんのさ?」
ガガーリンは俺が7歳のころに森の中で拾った、自称高等宇宙遊牧民族だ。両親がいない俺にとっては、小さいころから良き友人であった。
「なにってお前を迎えに来たんだぜ。感謝してくれな」
「んなこと言って、どうせゲームの続きが早くやりたいだけだろ?」
ガガーリンはゲームが好きなのだ。
見た目は猫だが、人並に器用で、ゲームに初めて触ってからというもの、毎日のようにゲームをしている。
「まあそうだけどよぉ。結果退屈な下校時間がにぎやかになってんだからさ、ありがたく思えよ」
「へぇへぇ、ありがとござんした」
ガガーリンとは概ね良好な関係だ。毎日のようにゲームをして騒いで、たまに喧嘩をする。それでも次の日にはいっしょにゲームをしている。
「そういえば」
「あんだよ」
「ガガーリンあの噂知ってるか?」
「どのだよ」
これは、高校生・月有隆と、変猫ガガーリンがおくる、不思議に満ちた物語である。
「ミスター・Jの噂のことだよ」
ご閲覧ありがとうございました。
誤字脱字修正アドバイスなどがありましたら、感想などで教えていただければ幸いです。
初心者故の至らぬ点がございますので、どうぞドシドシと教えてください。
最後に、重ね重ね申し訳ないですが、読んでくださり、ありがとうございました。