表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

第2話―謎めいた少女

 テトは慌てて崖の方にマッハ1で『空を飛んで』向かった。

 しかし気づくのが遅くて、ギリギリ間に合わなかった。

 女の子は亡くなってしまった。


 テトは地面の土を握りしめて「くそぉ!」と叫んで地面を叩きつけた。

 女の子を背負って、とりあえず『村』に持っていこうとした。

 だが、冷静に考えてみるテト。


「このまま村に持っていけば、私が『殺したことになる』から村に持っていってはダメだ。一旦うり坊が居る場所まで持っていこう」


 そして、無事にうり坊が居る場所に到着した。

 崖の上にある山は森林火災になっていた。


 一度大きな木の下に『女の子』を寝転ばせた。

 ここならメトにバレる心配はない。後でちゃんと葬式あげてやるから安心しな。うり坊、あとは頼んだぞ!


 テトは急いで崖の上まで飛んで様子を見に行った。


 そこにメトの姿は無く、人間の死体も全く無かった。

 テトは不思議に思った。

「あのメトが人以外の生物を殺したり物を壊したりするだなんて。なにか理由が無ければこんな事はしないはず……」


 火災がどんどん広がっている事に気がついたテト。

「先にこの森林火災をどうにかしよう、それから調査して考えよう」


 テトは両手にかなり鋭い小刀を持ち、火災が起きてるところを囲うように次々と木を伐採していった。まるで草を刈っているかのように見えるくらい簡単に木を伐採をしていた。


 そして、テトによって森林火災は止まった。


「はぁ、やっと止まったか。久しぶりにこんなに動いたよ、一度体を休めないとな」


 テトは少しでも激しい動きをすると、体にダメージが入ってくる。

 待てば自然と治る、『しっかり休憩』すれば問題なし。

 一度テトはその場で休憩しながら考えた。


「そういえばここに残りの人間の数が書いてあるんだったっけな?」

 テトはホログラフィックディスプレイを開き、残りの人間の数を見た。

 すると、既に『2万人』切っていた。


「メト、お前は本気で人類を滅ぼすつもりなんだな。

 でもそこまでして一体なぜ滅ぼそうとするんだ?

 どうにかして私が止めなくちゃならない。

 この世界でメトを止めれるのは『私しか』いないんだ。

 だから私ひとりで止めてみせる……!」


 テトは短い休憩をし、周辺を調べようとする。

「さて、この場所をなんで攻撃したのか調べないと。……痛っ! なにこの痛み! こんなの感じたことの無い痛みだ」


 実はさっきまで動きすぎて、足の底がほとんど無くなっていたのだ。

 それに加え、関節部分・腕の部分・首の部分にダメージを負っていて、休憩もそれほどしておらず、まともに動ける体ではなかった。


「仕方ない、今日はここで寝るとしよう」

 テトは自分の体が『自然回復』するように、眠りに入った。



 眩しい朝日が昇り、その光でテトは目を覚ました。


「うーん……もう朝なのかぁ、もう少し寝たかった……。 でも仕方がない、2度寝はあまり良くないから起きるか」


 テトは全身動かし、軽くジャンプしたり走ったりした。

「よし、一応体は治ってるようだ」


「さて、昨日の森林火災の場所を調査しよう」

 テトは調査を始めた。


――が、ほとんど炭だらけで何も残っていない。

 ただ少しだけヒントらしきものがあった。それは、岩に付いている『謎の模様』だった。


 その模様は手のひらサイズで、大きくも小さくも無かった。

 そして肉眼では見えないほど小さく『2151』と書いてあった。

 2151とはMegを作り上げたチームの名前。

 テトは何か関係性があるはずだと信じて、この岩がある場所を保存しておいた。


 他にも探したが、結局炭しか見つからず、諦めた。

 時は既に日が沈み、夜を迎えていた。


 テトは、『うり坊と女の子が居る場所』まで歩いていった。

 飛んでいこうと思ったが体がまだ完治していなかったので、念の為飛ばなかった。


 そして数時間掛けて到着。


 テトは自分の目を疑った。

 『女の子の姿』が見当たらなかったのだ。

 テトは焦りながらも辺りを探ってみる事に。


「誰かに持っていかれたのか。 いや、もしそうなら地面に跡が残るはず。一応足跡がある、しかしこの足跡の大きさから見て……あの『女の子』と同じだぞ?!」


 テトは冷静さを失い、とりあえず村を見てみることにした。

 すると、女の子が『普通に』生活していたのだ。

 テトは何があったのか、全く理解出来なかった。


「これが人間達の言う神に命を救っていただいたというやつなのか?

 あの高さから人間が落ちたら確実に死ぬはず。

 私でも受け身を取らないと足が壊れる。

 なのに何故平然と生きているのだ?

 やはりあの子は人間じゃないのかもしれない……

 とりあえず様子を見るとしよう。

 そんなことよりうり坊のやつはどこいったんだ?」


 うり坊が木の根の隙間から出てきた。


 テトはとても良い笑顔で「うり坊!!」と言って抱き上げた。


「ほら、木の実お食べ。これは崖の上にあった木の実だ、貴重なんだぞー?全部木が燃えてほとんど無かったんだ、でも少しだけ木の根っこの下に落ちてあったんだ。だから木にちゃんとお礼を言いなよ?」


 こうしてテトは村の様子を何日か観察していた。


「うーん、案外普通に村で暮らしているな。

 ただなんかちょっと馴染めてない感じがする。

 あまり話し相手が居ないというかなんというか。


 それと……

 あの、最近よく見る『変な生き物』は何だ?

 私の持ってる動物図鑑データの中に入ってないぞ?」


 それは、森の精霊と言うべきなのかなんとも説明しづらい生物だった。

 大きさは少女の半分ぐらいか、それより小さいくらい。


「なんだ?あれは魔法というやつなのか?空中に文字を出したり絵を描いたり、一体何をしてるんだ?」


 しばらくすると、女の子がその『謎の生物』に気がついた。

 そして女の子は謎の生物について行って、どんどん森の奥へ進んでいく。


 テトは慌てて追うことに。

 ちょ、ちょっと待って!そっちは『戦闘用ロボット』が居るかもしれないんだから気をつけてー!

 

 テトは急いでその周辺をセンサーで戦闘用ロボットの有無を確認。

 運良く戦闘用ロボットは居なかった。


「よかった、戦闘ロボットは居ないみたいだ。

 まあこれ以上追っても怪しまれるし、私を見ると怯えるだろうから追うのはやめよう。

 私なら遠くからでも様子は見れる、近寄る必要もない」


 テトは安心して、色々考え始めた。


「今このまま守ればここの村人達はずっと安全だろう。

 でも、この村以外に居る2万の人々は危険なままだ。

 だからと言ってここから出ていくと、今度はこの村が危険になる。

 うーん、どうするべきなのか……


 もし私にロボットの生成能力があれば良いんだが、実はロボットを生成出来るのメトだけなんだよな

 私がメトの言われた通りにやっても出来ないし、未だにあの力は不思議だ。

 何か神秘的な物を感じる。


(うり坊がテトの膝の上にこっそり座る)


 同じMegのロボットなのに、心が違うだけで出来る事と出来ない事があるだなんて、おかしな話だよ。


 でも、あのロボット生成出来るようになったのは、メトが黙り始めてから……

 どうしても何か引っかかる。

 あの時、メトに何があったのか。


 あーもう分からん! 結局私はどうすればメトを止めることが出来るんだ! このままだと人間がどんどん減らされ続け、最終的にこの村も攻められる!」


 キュー! と、うり坊が鳴く。


 わぁ! ビックリした! いつのまに乗ってたの!?

 全く、お前は暗殺者にでもなれるんじゃないか?


 うり坊、お前はどう思う?

 って、分かるわけないか!あはははは


 うり坊は返事したかのように、キュー! と鳴いた。


 お、お前言葉分かるようになったのか!? こ、こいつまさか天才なんじゃ……!


 こうして、いつも通り鹿を狩りに行き、村へ渡しに行くのであった。



 だがテトが戻ってきた時、悲劇が待っていた。

 Megは、睡眠を行うと回復能力が高まる。

 メトの場合はそんな事を行わなくても、使ってる最中も回復し続ける為、睡眠する必要がない。

 体に穴が空いたとしても、数秒から数十秒で治ってしまうほど回復能力に特化している。


 テトは攻撃特化なので、睡眠を行って8時間~12時間ほどで回復が終わる。

 睡眠を取らなければ、およそ3倍は掛かるらしい。




2019年9月18日(水)修正

一部の文章を修正しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ