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プロローグ
死ぬ前に
プロローグ
目線を下に向けたまま路地裏を歩いているのは、バイトを終わって家に帰宅中の
高校生三年生、十八歳、どこにでもいる男子学生である。
夏休み中のバイトなので、午後に終わった帰宅中の今でも太陽の光はまだ明るい。この道はあまり人通りが少ないので、たまに本を読みながら帰ったりもし、かなり気に入っている。
そんな静寂な路地裏に、珍しく後ろからトラックが大通りを走るスピードで来て
いる音が聞こえる。
普段は静かな路地裏に、スピードを出して走るトラックの運転手に心の中で悪態をつき、下に向けていた目線を上げてみると、道路の真ん中で人形を持って座っている小さい女の子がいた。
慌てた俺は運転手に呼び止めようと一瞬考えたが既に間に合わない距離までに近づいていた。
俺は道路に出て女の子をすぐに抱き上げえ道路脇に放り投げた。放り投げなければ二人共に死んでいたからだ。
死を受けた俺がその時何を考えていたかなんて、死んだ後の俺にしか分からない。別に死後の世界になんて興味はないが、俺は自分が死んだ時の事を死んだ後に考えていた。
俺は死んだのか?