4時限目 「有魔核生命体」の内蔵について
さて、本日のお勉強は「有魔核生命体」の内蔵についてだ。
……。
え?
ゴブリンはどうしたのかって?
あ〜、まぁ。
流石に、あんなグロテスクなものを見た後では、彼らの話は少し控えたいよね……。
と、そんなわけで、今回は「有魔核生命体」の内蔵の名前と効果、冒険者ギルドに売ったら儲かるものランキングなどをしていこうと思う。
ランキング結果は、授業を聞きながら予想していてね!
「あの、そろそろ着替えさせてください」
大丈夫だよリュカちゃん。
ブルマは私の目の保養だから着替えなくても全然オッケー!
……。
……あ、はい。
スミマセン、調子に乗りすぎました……。
あ、なんならエナ先生が着替えさせてあげよっか?
――ガコン!(リュカがエナを殴る音)
……。
で、では気を取り直して授業に進むとしよう。
では先ず「有魔核生命体」の内蔵の名前と、簡単な仕事の内容から話していこうかな。
まず「有魔核生命体」が「有魔核生命体」たる所以の臓器からいこうか。
魔核という。
これは、術と呼ばれる現象の元となる、術子という霊質を生成する器官だね。
他には、生命の根幹たる「起源」と呼ばれるものを護る役割を果たす。
「有魔核生命体」は、この「起源」さえあれば何度でも復活できるんだね。
だから正確に言えば、「有魔核生命体」を斃す方法は魔核の破壊ではなく、そのさらに奥。「起源」と呼ばれる、生命の根幹の流出なんだ。
「起源」と呼ばれているものが何かは、未だに何で出来ているかは解明されていない。
一説によると、自分の魂が生まれた時、最初に持った感情が本能として結びついて、その個体を、その個体たらしめる証として、輪廻転生を繰り返しても薄れることがないもの、とされている。
これは「有機生命体」たる我々人間にも備わっているものだ。
ソレをどうやって自覚するのかは、また別の誰かから聞いてほしい。
……っと、魔核の話をするつもりが、起源の説明になってしまった。
次は、魔蔵について。
魔蔵とは、血中に溶け込んだ妖子が経絡に浸透して最初にたどり着く場所だ。
魔蔵の基本的な仕事は、その妖子を分解機構にて魔素に分解して、蓄えておくことなんだ。
まあ、肝臓みたいなものだと思ってくれればいいかな。
場所としては、腎臓の前あたりに、左右合計二つついている。
片方が傷つき、使用不可になると、とあるホルモンが脳から分泌されて、使用可能な方が活性化される。
片方が活性化すると、そこで魔蔵を修復する材料を合成して、経絡→血管→経絡と通過していき、負傷した魔蔵を修復していく。
魔蔵は、魔核に送る魔素を生成して分泌する器官だから、厄介な術を使ってくる「有魔核生命体」に遭遇したら、まずはそこを狙うべきだね。
ちなみに、魔蔵を負傷していると、魔核に魔素を送れない……というより、効率が悪くなって魔素の分泌量が減るので、相手が術を使う頻度を、大幅に減らすことができる。
だから、冒険者はそういった敵を見つけると、まずは魔蔵を破壊しに行くね。
経絡。
チャンネルとも呼ばれている。
主に、妖子を伝達する器官で、その妖子は中を通っている経絡液とよばれる液体に乗って運ばれていく。
経絡は二種類に大別され、術子を運ぶ「スペルチャンネル」、妖子を運ぶ「ソースチャンネル」だ。
それぞれには血管と同様に動脈と静脈が存在しているよ。
術穴。
ホールともいう。
経絡を流れて来た術子を、体外へと放出し、術子と与形子を反応させる器官だよ。
状態異常の沈黙っていうのは、この術穴を塞がれることで、術子を体外に放出できなくなった状態のことをいう。
これは余談だけど、人間で魔法などの術を使う人は、体外にこれらの器官を模倣した道具を持つことで、術を行使しているんだ。
ここまででわからなかったことってあるかな?
……。
ふむふむ。
私のスリーサイズかい?
幼児体型のスットントンだということだけは、教えておいてあげるよ。
……。
え?
そんなことは別に聞いていない?
そっかそっか。
ちなみにリュカちゃんのバストサイズは、目算でもきゅうじゅ――むぐっ!?むぐぐっ!?
「何で知ってるんですかぁ!?」
っぷはぁ……。
と、言うわけで、今回のお勉強は終了だね!
次は魔核についてお話することにしようか。
それじゃあまたね!
See you!
……お?
あ、次はお昼休憩か。
お弁当何にしよっかなぁ〜♪
冒険者ギルドに売ったら儲かるものランキング!
一位……魔蔵
二位……魔核
三位……経絡
四位……術穴
五位……素材アイテム
以上、ランキング発表でした!
みんなの予想は当たっていたかな?
では、また次回!
質問、疑問などあれば、このエナ先生がコメントで答えてあげるよ!
それじゃ、バイバーイ!
今日のお昼、どうしよっかな〜♪