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1時限目 魔法生物学のオリエンテーション

 やあ、どうも。

 はじめまして。

 私は、魔法生物学者のエナという。

 君の名前を教えてくれるかい?


 ……。

 ふむふむ。

 太郎くんと言うのだね?


 ……。

 なに、違う?

 そうか。

 だが、名前なんて些細なものさ。

 ただ、なければ困るという程度のものだよ。

 だから君のことは太郎くんと呼ばせてもらう。

 文句は無いね?


 ……。

 さて、それでは早速魔法生物学のオリエンテーションを始めよう。

 まずは基礎からだね。


 君は、生命体について、どれくらい理解しているかな?

 犬や猫、草花や木などといった、基本的に有機物でできた動物や植物のことだけだろうか?

 それとも、キノコやカビも、君たちの認識では生命の仲間なのかな?


 ……。

 ほうほう。なるほどなるほど。

 細胞を持っているものだけを生物だと思うのか。

 じゃあ、ウイルスは?

 生物学と分離して、ウイルス学と言うものがあるくらいだから、きっと彼らは生き物としては認められていないのだろうか。


 ……。

 そう。

 君は優しいね。

 彼らも生き物だと言ってくれるのか。

 そんな太郎くんになら、この魔法生物学も理解してくれるだろう。


 魔法生物学では、生命体を、この世に存在するすべてのものであると定義する。

 つまり、今君が腰掛けている椅子や机も、魔法生物学では生物と定義される。

 生きているか死んでいるかは、考慮に入れないのだ。

 なぜなら、魔法生物の中には、キョンシーやゾンビなどといったアンデッドと区分される生き物もいるからね。


 魔法生物学では、彼らを忌避しないし、細胞でできていないからと言って仲間はずれにしたりはしない。

 幼稚園生の頃、もしくは保育園児だった頃に、先生に言われた言葉を思い出してみるといいだろう。


 みんなで仲良く遊びましょう。


 魔法生物学では、これを忠実に守っていくことにしているのだ。


 話を戻そう。

 魔法生物学では、生命体に対して、いくらかの区分けがされている。

 基本、有機物でできた生命体を「有機生命体」。

 無機物でできた生命体を「無機生命体」。

 妖怪や悪魔などといった、人の心が生み出した「概念生命体」。

 そして、魔核と呼ばれる器官を持ち、魔法を自在に操る魔物などの「有魔核生命体」。


 私の専門は、この最後に挙げられた「有魔核生命体」でね。

 ここでは、彼らについての基本的な話をしていこうと思う。


 さて、授業についてのオリエンテーションはこれでお終いだ。

 何か質問はあるかな、太郎くん?


 ……。

 先生は何者か、だって?

 言ったでしょ。

 単なる魔法生物学者だよ。

 専門は「有魔核生命体」で、それ以外はからっきしだけどね。

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