第9節 ナニカとの取引
「は?俺に推薦枠を譲る??」
「ああ、僕の知る限り君ほど電脳戦争の参加パスご必要な子は知らないからね」
よくわからないが…これは…
「確かにしんどいけどよ、今日あったばかりでしかも同い年の奴に哀れまれるほど弱ってねぇぞ?」
コイツは完全に俺を哀れな被害者だと思ってやがるんだ…
「先刻も言ったが話を聞きたまえ。何の理由もなく譲る訳はないだろう。」
(理由…?条件があるってことか??)
「理由なんて難しいことではなく、先程もそれらしいことを話したのだがな」
陽は手を差し出しながら言ってきた。
「僕と友人、もとい電脳戦争のパートナーとなってくれ。僕の参加理由はそこの寺嶋という方と同じだろう」
「おい勒音!!自分の子供に何を伝えてんだ!!」
「やだなぁ〜寺嶋さん。僕は何も伝えてないですよ。たぶんコイツはその子のことを調べてるときに寺嶋さんのことも調べたんだと思いますよ?」
だとしたら、陽の調査能力は異常だ。
「なあ、えっと…「太陽の陽と書いてあたるだ」ああ、陽は父親と同じ警察になるんだろ?俺みたいな厄介者とは関わらない方が良いと思うぞ?」
コイツはなんかヤバイ気がしたのでやんわりとそれっぽい理由で距離を取ろうとしたのだが…
「警察なんて不正の温床に行く訳ないじゃないか。僕は将来探偵になるんだ、そして知りたいことを知って知って知り尽くすのだよ」
警察3人の前で堂々と不正の温床扱いした陽。
「そして探偵のための事務所を手に入れるための資金調達に僕は電脳戦争に参加し、知識とお金を手に入れるのが目的だ」