第6節 恩返しの思いと人の群れ
「うう…これからもよろしくお願いします…」
「初めから大人の言うことは素直に聞いておけ」
もしかすると寺嶋さんは自分の家に引き込むためにも電脳戦争の話をもってきたのかもしれない。
電脳戦争て稼いで恩を返したい。
そんな気持ちを抱きながらテストの日を迎えた。
「ちゃんと寝ただろうな?今日は合格が確定しているとはいえ、それなりに運動はするんだからな」
「大丈夫です、今の体調なら普通にテスト受けても合格できる自信ありますよ」
ここまでしてもらっておいてしんどいとか言えないし、そんな状況になってはいけない。
俺にできるのは電脳戦争に参加してファイトマネーと電脳戦争の情報を寺嶋さんに持ち帰ることだけなのだから。
会場に着いた俺は人の多さに驚いた。
「数えるのも馬鹿らしいくらい人がいますね」
「ここで合格すれば登録費用の5万円が浮くんだ、落ちても1年経てばまた参加資格は手に入るわけだしダメ元でも全然良いのだろうな」
テストは連続で受けれないだけで受講制限は設けられていないから何度でもチャレンジできる。
もし、どうしても参加パスが欲しいなら5万円払えば確実に手に入るし。
「警察推薦枠ってことのありがたみを改めて感謝してますよ…こんな中から自力合格とかまず無理です」
「とりあえず他の推薦者のところ行くぞ。警察推薦枠ということでまとめて登録しないといけないんだ」
そうして、他の推薦者の元に向かったのだが…
警察推薦者の集まりにはすでに3名の人がいた。