一時間目 ローレシアの概要
以前の設定の説明が硬かったので少し軟らかくしました
「おはようございます」
「おはようございます」
「今日から何も知らない地球人生徒の為に授業を始めるローレシア人教師です」
「地球人です、今日からよろしくお願いします」
「では早速始めるわよ、まずローレシアの成り立ちから、神話によると、創造の父神レアと母神シアによって世界が創られたの」
「先生、神様同士でなにやったんですか?」
「あなた、いきなり下ネタなんていい度胸してるわね」
「ごめんなさい、ちゃんと聞きます」
「続けるわよ、二人の神の名前を取って大陸の名前の語尾が『レシア』となるの、前の『ロー』は昔の言葉で『始まり』と言う意味、それで最初の大陸の名前からこの世界全体の事を『ローレシア世界』と言うの、ここまでいい?」
「これくらい余裕です」
「ちなみに大陸は他に二つあって名前は『エレシア』と『ミカレシア』、エレシア大陸は二番目の大陸と言う意味で、ローレシア大陸は人族中心の大陸であるのに対してエレシア大陸は人族と亜人達が混在してるの、ローレシア大陸とエレシア大陸は割と近くて昔から貿易も盛んにしているわよ、人口もローレシア大陸程じゃないけどそこそこいるの、そしてもう一つのミカレシア大陸は新大陸と言う意味で、ローレシア大陸を中心に見ると西にエレシア大陸、東にミカレシア大陸があるわ、ローレシア大陸とミカレシア大陸は少し離れていてさらに間の海は荒れて海流も速くたどり着くのは至難とされているのよ、当然ながら他にも大小さまざまな島々がこの世界にはあるの、この辺の話が今後物語に出てくるかどうかはまだ未定だけど」
「えー、後半の話は蛇足なんですか?」
「未定は未定よ、出るかどうかは作者しだいです」
「じゃー、次ー、サクサクいくわよ、これからテンプレの話だから」
「えーお約束の話ですか」
「そう、お約束は必要よ」
「まずは設定だけど中世ヨーロッパ風になってるわ、王様と貴族がいて政治体制は絶対君主制が主で少し立憲君主制の国があるようだわ」
「あと同業者組合『ギルド』があるの、商人・冒険者・魔法師・傭兵・鍛冶師など色々、当然主人公がギルドに入って色々する訳よ、これが無きゃ物語が進まないからね」
「冒険者ギルドや魔法師ギルドなんて鉄板ですからね」
「奴隷もいるわよ、悪い事した犯罪奴隷は強制労働させられるし、戦争奴隷は捕虜になった者や賠償金の代わりに売られたりした者たちね、最後に借金奴隷だけど言葉通り借金のかたに奴隷になった者で借金返せば元に戻る者もいるらしいけど」
「奴隷と言えば隷属の首輪だけど、首輪に主人の血を登録し主人への害意が一定以上になると自動的に身体の自由を奪ったり、主人が魔力を込めると自由を奪う事も出来るそうよ」
「やっぱり主人公は奴隷集めてハーレムなんか作るんですかね」
「青少年男子の考える事はそれしかないの?主人公の願望ってより作者の欲望のはけ口って意味合いのほうが強いんじゃないの?とにかくハーレム云々は作者しだいよ」
「続いて、ローレシアの町に付いてだけど、大きな町は城塞都市になっていて小さい町や村でも木の塀を廻らせて人や魔物の攻撃から町や村を守っているわ」
「宗教については、ローレシアは信仰する神が一杯いるわ、町にはいくつか神殿が建っているけど、どれもこじんまりしていて地球のギリシャやローマみたいな巨大な神殿は無くて日本の普通の神社みたいな大きさのものがあちこちにあってそれぞれ祭られている神が違うの、宗教戦争を起こすような国家権力と結びつくほど一つの神の信仰に集中する事は無いわ」
「それと人型をした神が光臨する事もないわ、人型の神は神話の中だけで十分だわ、神はこの世界そのもの、この世界のシステム全てが神の身体であり神の意思だと思うの」
「なんか良く分からないけど、そんなもんなんですね」
「そう言う事よ、後半部分は覚えなくていいから、前半の人型の神は登場しない事だけ覚えておきなさい」
「次に農民の話だけど、農村には前述べたような奴隷はあまりいないけど農民の殆どが農奴なの、これは農業の制度としてそうなってるの、基本農奴は領主や庄屋の持ち物ってことになっていて決められた土地から離れられないの」
「じゃあ、農奴は一生農奴のままなんですか?」
「例は少ないけど抜ける方法はあるわよ、例えば軍に徴用されて武勲を立てて自由にさせてもらったり、余剰労働力は奴隷として売られるから一生懸命働いてお金を貯めて自分で自分を買い取って自由になる、そんなとこかしら」
「あと土地の話だけど、基本、土地は領主である貴族と国つまり王が所有権を持っていてそれ以外の者は持っていないの、農村の庄屋は土地所有者じゃなく管理権を持ってるだけ、つまり委託されているだけなの」
「追加で話すと、ローレシアの土地って手付かずの場所が結構あってお金を出せば税金数年免除の特典付きで開拓の権利がもらえるの、そんな人の中の成功者が庄屋になって大勢の農奴を使って作物を生産しているの」
「土地の持ち主の貴族の話に変わるわよ、身分についてだけど一番上が当然、王様ね次に王の血縁者でその中で爵位を持ってる者が公爵となるの、その下が侯爵でこちらは国境の重要地の領主の事になるの、次に伯爵で大都市を含む土地の領主となって、次の子爵は都市を含む土地の領主で男爵はそれ以外の貴族になり男爵以下は土地を所有しないの、功績のあった文官は準男爵になり、武勲を挙げた騎士が士爵となるの、貴族の序列はこんなものかしら」
「あと軍の話だけど、国の常備兵は騎士と歩兵の兵士になっていてそんなに数は多くは無いの、戦争の時は農民から徴用兵を集めるか、傭兵を雇うかで数を揃えるわ、徴用兵は数は多いけど訓練不足で弱いし、傭兵は強いけどコストかかるし裏切る危険性もあるから一長一短ね」
「次にこの世界の暦についてだけど、ローレシア暦って言って人の文明が始まってから数えてるらしくて6000年弱の長さになってるわ、それから一年は365日で地球と同じだけど月は13か月で新月・1月~12月になってて1月が28日で新月のみ29日で初日・日本で言う元旦を『始まりの日』としてるの、4年に一度うるう年があって『始まりの日』が2日あるの」
「色々地球と同じなんですね」
「他にもあるわよ、7日間が一纏りで精霊にちなんでそれぞれ『火』『水』『風』『土』『闇』『光』『無』の日になっているわ、無属性は精霊に関係ないけど魔法つながりで入っているわ、それで無の日を休日にしている地域もあるらしいわ」
「それも地球的なんですね」
「止めなさいね、地球目線で物を言うの、これはローレシア中心の話なのよ、地球最高なんて思わないでよね」
「分かりました、ごめんなさい」
「分かればいいのよ」
「次にローレシアの生物について、これもほぼテンプレ通りね、人・亜人・魔物ってとこ、ローレシアには魔族はいないわよ、だからその王の魔王もいないの、勝手に名乗るのは仕方ないので『私が魔王』『俺、勇者』って勝手に言っても個人の自由だから誰も止めないけど」
「そんな問題ですか?」
「魔王や勇者は自分で言うもんじゃなくて周りから言われるもんなんじゃないの」
「確かに」
「亜人の説明だけど、亜人って言い方からして人中心の目線で嫌だけど、一応説明するわね、あ!忘れてた先に精霊せつめいするね」
「精霊とは人の魂と同じスピリチュアルな存在で自然の意思ともいえる存在かな」
「次、亜人について、人と姿形が似ている他種族の総称ね、その中のまずエルフだけど人より精霊に近い存在で風と水と光の精霊の加護を貰ってる、ダークエルフもエルフと同じだけど風と水と闇の精霊の加護を貰ってるわ」
「エルフとかダークエルフは大好物です」
「あなた食べた事あるの?」
「いえ食べません、意味違います」
「じゃ次、ドワーフは人より精霊寄りだけどエルフ達よりは人寄りになるの、土と火の精霊の加護を貰ってるわ、ノームもドワーフと同じだけど土と風の精霊の加護を貰ってるのよ、ドワーフとノームは一緒に鍛治の仕事をやってる事があるわ」
「精霊の加護ってなんですか?」
「精霊の加護は魔法の説明の時やろうと思っていたんだけど、まあいいわ、精霊の加護とは必要な時お願いすれば精霊が力を貸してくれるって事、つまり精霊が魔法を使ってくれるって事、その魔法を精霊魔法って言うの」
「また後で魔法の説明の時詳しく説明するわ、今は精霊が協力してくれるって事だけ覚えてて」
「精霊が力を貸してくれるのが精霊の加護なんですね」
「そう言う事、じゃあ次ね、獣人について、字の通り獣の特徴を備えた人の事、耳や尻尾なんかは分かり易いわね、あと筋力も強いわよ」
「ウサ耳とかネコ耳とかも好物です」
「あなた食べた事あるの?」
「いえ食べません、また意味違います」
「獣系人型生物の説明はこれで終わって、次に魔物の説明に入るわ、と言っても一々個別に説明しないけど全体的にザックリいくわよ」
「ついに小説やアニメで定番の悪役登場ですね」
「まあそうね、じゃあ説明ね、魔物ってローレシア世界に昔から住んでいた生物が魔素を吸収して突然変異を起こして色んな形に変化したの、ちなみに昔のローレシアは今よりずっと魔素濃度が高かったらしいから生物の突然変異が頻繁に起こっていたらしいの、追加だけど魔物の特徴として心臓の横に魔石って呼ばれる石があるの、身体全体から吸収した魔素を蓄積する器官で力を使う時は魔石から魔力を放出するわ」
「安心しました、定番はちゃんと押さえてあるんですね」
「当然でしょ、魔物が凶暴なのは魔素の影響といわれているわ」
「おまけだけど、魔物の中で少し系統の違うのがいるわ、それはゴブリン・オーク・オーガ・コボルト・エイプなどの二足歩行の魔物達で他の魔物よりも知恵があって集団戦闘や武器の使用もするから純粋な魔物と獣人との中間的存在ね、魔石があるから魔物には違いないんだけど、あと稀に頭のいい突然変異種が生まれる事もあるわ、地球で言う類人猿のような存在になるのかしら」
「ゴブリンって毛の無い緑のチンパンジーって感じですか」
「まあそんなもんね」
「今日はこれぐらいにしといてあげるわ」
「ありがとうございました」
もう少し追加の設定説明があります