6.10分の遅刻。もちろん俺は悪くない
19:00
ちょうど部屋に戻ってきたのがこのくらいの時間であったような気がしないわけでもない。
予定であればもうちょっと早く戻ってくる予定だったのだが、少々寄り道をしてきた。
お察しいただいているかもしれないが、妹、巫女の部屋である。
そう、肉を食べた罪で罰してきたところである。
巫女は悪いことをしたのか。
と、街頭アンケートをとったらおそらく半分以上の人はNOと答えるだろう。
しかし、俺にとっては大問題、ギルティーである。
よって問答無用で頭グリグリの刑にしたのである。
さて、そんなことはどうでもよい。
俺は急いでパソコン「パニーちゃん二号」を起動し、オンラインゲームにログインした。
というのも19:00からリリーと一狩行くことになっているのである。
ヤバイよ、このままだと遅刻だよ。
俺は急いで集合場所に向かった。
「まったく、遅いよシアン」
待ち合わせである酒場の前には当然のようにリリーが待っていた。
もちろん、ゲームの中でである。
ちなみに、俺のユーザーネームは「シアン」である。
「悪い悪い、ちょっと色々あってな。」
まぁ7割ほどは巫女のせいなのだが心が狭いが故に罰を与えた俺も俺だ。
ちなみに、一見普通の会話に見えるが実際は伝えたい言葉をただキーボードに入力しているだけである。
だから普通この後の文面には『俺は心を込めて謝罪した』とか書かれるんだろうが、果たして心を込めたと言えるのか?
俺にはわからない。
だから普通に謝罪した。
では、話を酒場前に戻そう。
「まったく、レディーを15分も待たせるってどうなのよ。」
どうやらリリーさんはご立腹であるようだ。
ここはちょっとご機嫌とりをしてみよう。
「いやー、リリーに会うってことでメチャクチャ緊張してな。」
ちょっと訳ありっぽくいってみた。果たして反応はいかに?
「ちょ、いきなりなによ。」
お、リリーの反応が早くなったな。
もうちょっと続けてみよう。
「ほら、リリーって可愛いじゃないか。俺のような人間が一緒にいていいのかな、て思っちゃってな。」
半分事実だ。
アバターの話だかリリーは可愛いと思う。
戦闘に向いている茶色のショートヘアーに白と薄い茶色をメインとした全体的にフリフリの戦闘服、そして腰の両脇に下げている中世をイメージさせる短刀。
外見だけでなく性格の面でも俺は嫌いじゃない。
ちょっと子供っぽいところもあるが、正しいと思うことはしっかり口にするし頼れる部分も少なくない。
「そ、そんなこと無いよ。シアンは戦闘スキル高いし操作も上手で。私なんて・・・」
やべー、収集つかなくなってきた。
これ、何て返信しようか?
1・「そんな君が、好きだ」
2・「いやいや、そんなことないよ」
3・「いいよ、君の恥じらっているその姿。もっと見ていたいよ。」
以上3つの選択肢が現れた。
俺の頭はギャルゲー脳か?
2はともかく1と3の選択肢は一体?
作者の陰謀か?
でも、冒険してみるのも悪くないかもしれない。
俺が選んだ番号。それは・・・