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31.入学式

「~であるからにして、皆さんには文武両道で楽しい学園生活を送っていただきたいと思っています。」


翌日。二野坂学園の講堂では高等部の入学式が行われていた。

今は学園長のありがたいお話の時間だ。

客席には前方から新入生、在校生、そしてその周りを囲むように保護者の方々が座っている。

教員はステージ上に並べられたパイプいすに腰を掛けている。

講堂はまさに入学式一色だ。

しかしそんな中、俺と莉里亜はステージの袖にいた。


「ねえねえ、陸。緊張するね。」

隣で待機している莉里亜がそっと声をかけてきた。ここにいるのは2人だけである。

「そうだな、こんな大勢の前にでることになるなんて……」

「いや、そこじゃなくて、ほら。」

莉里亜が言おうとしていることがいまいち的を射ていない。ふと顔を見てみると顔が赤い。

「大丈夫か?気分が悪いなら挨拶を控えて保健室に行ったほうがいいんじゃないか?」

俺は莉里亜を心配して声を掛けたが、

「いいよ、もうっ。」

なぜかご立腹だった。

「何でそんな……」

と言ったところで客席から大きな拍手が起きていた。

どうやら学園長の挨拶が終わったようだ。

ステージを確認すると、学園長がステージ上のいすに腰を掛けたところだった。


「続いて、今年度からの生徒会役員を紹介します。」

司会から案内があったところで、先輩達が反対の袖から出てきた。

「新入生の皆さん、こんにちは。生徒会長の花園美保です。皆さんの入学を心から歓迎します。」

さすが生徒会長、しっかりとした挨拶だ。

「そして、今日から新たに役員として迎え入れる2人を紹介します。どうぞ!」

先輩の声を合図に俺と莉里亜はステージに姿を現した。

客席からの拍手が温かく迎えてくれている。

こんな思いをするなんて数ヶ月前の俺は考えてもいなかった。

ステージの真ん中までたどり着くと、再び花園先輩が口を開いた。

「それでは、自己紹介と意気込みをお願いします。」

そういって俺にマイクを渡してきた。

「皆さん初めまして。菊原陸です。よろしくお願いします。」

俺は言い終えて一礼した。客席からはまたもや拍手の嵐である。

一見無難なものだが、俺はこれで正解だったと思っている。

実を言うとさっきから緊張しすぎて足が震えているのだ。これ以上長く話せばぼろが出てしまっていただろう。

俺は一息ついて莉里亜にマイクを渡した。

莉里亜も一息ついて口を開いた。

「こんにちは、新入生の西園寺莉里亜です。まだまだひよっこですが、早く一人前になれるように頑張っていきます。応援よろしくおねがいします。」

そういって一礼をした。

もちろん拍手はあったが、さらには主に男子からの歓声が上がっていた。

いいないいな、俺なんて女子から「キャー!」なんていわれてないんだぞ。

莉里亜は「やってやったり」なんて顔をしている。

マイクが花園先輩にもどり、

「今年度はこの6人で頑張っていきます。応援よろしくお願いします。」

としめて生徒会役員挨拶は幕を閉じた。

本編では入学式をやっていますが作者は高校を卒業し4月からは予備校に行くことが決定したので更新頻度が下がります。

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