29.6人目の役員は?その1
平日は校舎内の食堂で昼食が提供されるらしいが、今日まで春休みということで俺たちは寮の食堂まで移動してきた。
そして食堂の前で待ち構えていた一人の少女に俺が声をかけた。
「遅いよ陸。お腹ぺこぺこだよ。」
そう、心当たりのある人物。それはまぎれもない莉里亜である。
どうやらお腹が空いているようで少々ご機嫌斜めである。
「こんにちは、さっき振りです。西園寺さん。」
「……」
莉里亜は俺の後ろにいる花園先輩を見て黙ってしまった。
「彼女が菊原さんの言っていた西園寺さんですか?」
「はい。新1年生で知り合いといっても彼女しかいませんからね。」
そう、心当たりのある生徒とは莉里亜のことだった。先輩たちの悩みを解決してあげたいという俺の優しい心遣いである。
というのは建前で本当は顔見知りがいたほうが仕事をしやすいからである。
窓際の席を確保した俺たちはそれぞれ料理が盛られたトレイを持ってきて食事を開始した。
ちなみに料理はバイキング形式だ。休日は好きな時間に食事を取ることが出来るのでこのような形式になっているようだ。
また、校内にあるいくつかの購買を利用して軽食を購入し、各々好きなところで食事をすることも可能である。
しかも、校内における飲食は基本無料らしい。これも資金が潤沢にあるからこそ可能な技だ。
食事中は俺と莉里亜対先輩方という構図で自己紹介をしていた。
俺と莉里亜はSNSで偶然知り合ったことにした。本当のことを話すと俺のことがばれてしまうと思ったからだ。その話を疑う人は誰一人としていなかったので俺は明日以降の自己紹介でもこの設定でいくことに決めた。
食事もひと段落したところで、花園先輩が切り出した。
「莉里亜さん、先ほどのお話考えてくれましたか?」
俺が電話で一通り状況を説明していたので、あえて花園先輩は説明を省略した。
「私は……」
皆が注目するなか、莉里亜は、
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