表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/36

2.ただの夢?それとも

 「よ、菊原」

 中学三年の春、クラス分けから早数日後の放課後、その悲劇は起こった。

 初めてクラスが一緒になった初対面のやつにいきなり声をかけられた。

 ま、そのことについては別に不思議とは思わない。なんせ校内では有名人だったからな。

 なぜか?まあ話せば長くなるのだが


 俺は中学二年生のころに中二病を発症していた。

 とんでもないくらい中二ってた。

 突然呪文を唱えたり、黒マントで学校に登校したりと。

 そんなこんなで俺は有名人になった。

 しかし、二年生も終わりに近づくとだんだん右手の疼きが収まっていき、終業式の時には完治していた。

 これが黒歴史だったりする。


 話がそれたな。

 まあ、そんなこともあって別にいろんな人に名前が知られていたとしても不思議ではない。

 「ん、どうした?」

 だから俺は言葉のキャッチボールにおいて素直に投げ返してしまった。

 「ちょっと来いよ。」

 そしてその男子学生…A君とでもしておこうか。

 彼はついて来いと促した。

 本当ならばここで引き返すべきだったんだ。

 いや、引き返したところで結末は変わっていなかったのかもしれないが。

 しかし、そのときの俺は

 「お、おう」

 ついていってしまったのだった。


 つれてこられたのは校舎の屋上。

 そこにはAのその取り巻き、BとCとでもしておこう。

 2人がいた。

 僕とAが屋上に来たところで、Bが屋上のドアの鍵を閉めた。

 そして俺とA,B,Cの四人の密室が完成した。

 「で、なにか用事か?」

 俺はごく自然な感じできいた。

 しかし

 「ぷっ、ははははは!」

 いきなり笑われた。

 「そこは『我、ここに、降・臨!』だろう」

 そ、それは俺が使っていた名言…いや、黒歴史の一つだ。

 「な、何だよいきなり。」

 俺はあくまで平穏を装い、その場をしのごうとした。

 にしても何なんだ、こいつら。

 と、思っていた俺にAは、今後の俺の人生を大きく狂わせる一言を言い放った。


 「お前、空飛べるんだってな?な、飛んでみろよ。な?な?」


 な、何を言っているんだこいつは。

 「いやさ、お前よく言ってたじゃん。『本日はじつに晴天なり。飛ぶのに最高だな』って言ってたじゃないか。」

 「そりゃ、言ったけど…」

 そんなの、現実的に無理だってことくらい少し考えればわかることだろうに。

 「まさか、飛べないとか言うんじゃないよな?」

 俺は突然BとCに腕をつかまれた。

 「ちょ、お前何すんだよ!」

 さすがの俺も自分の身を感じた。

 今すぐここから脱出しなくては。

 しかし、遅かった。

 俺は屋上の端まで連行された。

 「さささ、どうぞお飛びください。」


 それから俺の日常は音をたてて崩れ去った。

 クラスに一人はいるであろういじめられっこ。

 それに俺は選ばれた。

 AとB、Cは相次いで学級委員などの職にについた。

 そして俺のことをいじめ続けた。

 誰も助けてくれない。

 誰にも助けを求められない。

 そんななか今日も僕はいじめられるために学校に行く。


前回の更新でミスがいくつか見つかりました。

今後もミスを発見した方がいらっしゃいましたら、教えていただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ