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25.十六夜鈴音

部屋に着いた俺はとりあえず制服に着替えた。

まだ昼食まで時間があるので俺は花園先輩に言われたとおりに生徒会室に向かおうとした。

しかし、場所がわからないということにいまさらながら気づいた。

なんせ12学年分の施設を有する学園だ。適当に歩くわけにも行かない。

ということで寮の前で途方にくれていたところに、見覚えのある顔があった。

「お久しぶりです。菊原君。」

そこには制服に生徒会バッチをつけた若松先輩と頭一つ分小さい女の子がいた。その子も同じように制服にバッチをつけていた。

「ふーん、君が菊原君だね。」

その女の子は俺のことを品定めするかのように見てくる。

「こら鈴音、そんなふうに初対面の人を舐め回すように見るのは失礼じゃないですか。」

「そうですね、これは失礼しました。」

するとその子は優雅にお辞儀をしながら

「初めまして、生徒会の書記を務めています新高等部2年生の十六夜鈴音と申します。」

と自己紹介をしてくれた。

「それで菊原さんはこんなところでどうしたんですか?」

「実は……」

ここで俺は若松先輩にことの顛末を話した。

「なるほど、まったくあの人も無責任だな。」

と若松先輩が苦笑した。

「仕方ないですね。それでは生徒会室までご一緒しましょう。」

と十六夜先輩も言ってくれたので、俺はお言葉に甘えさせていただくことにした。

その時、

「お待たせしましたー!」

こちらに向かって手を振りながら花園先輩が寮から飛び出してきた。

「ちょうど寮で会ったので入り口で待ちあわせしておいたんです。」

「そうだったんですか。」

あれ、一瞬だが若松先輩の顔が苦虫をかんだような顔になったように見えたのだが

「美保さん、お久しぶりです」

「修も元気にしてた?」

なんて気がついたら普通に会話をしているから気のせいだったのだろう。

「あら、菊原さんも一緒だったんですか?」

「ええ、ここで路頭に迷っていたら先輩方に助けていただいたんです。」

「美保先輩が彼に場所を教えてなかったのが悪いんですよ。」

すると花園先輩が突然すまなそうな顔になって、

「すいません菊原さん、てっきり場所がわかりきっているものとばかりに……」

「いえ、気にしないでください。おかげで若松先輩と十六夜先輩にもこうして会えたわけですから。」

「でも……」

すると十六夜先輩が割り込んできた。

「はいはい、とりあえず移動しましょうね。」

こうして俺たちは生徒会室に歩を進めるのだった。

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