23.莉里亜の中学時代
「そういえば…」
電車旅も終盤に差し掛かったところでふと俺は口を開いた。
ちなみに今まで車内ではそれぞれ読書に没頭していた。
俺は入学前に少しでも教養をつけようと思い宮沢賢治作品をダラダラと、莉里亜は先ほど購入したBL本を真剣に読んでいた。
「莉里亜はなんで不登校になったんだ?」
聞いた後に俺は少し後悔した。
不登校になった理由なんて人それぞれだ。もちろん進んで話したがる人なんて皆無だろう。
なんてデリカシーがないのだろうと思ってしまう。
「それはね」
でも莉里亜は躊躇なく教えてくれた。
「先生と仲が悪かったからだよ!」
「え?」
俺はついつい聞き返してしまった。
「自分でいうのもあれなんだけど、私ってそこそこ頭いいの。で、授業を舐めた態度で受けていたから先生に目をつけられたの。でも試験の成績は主席だから私には何にも文句言えなかったみたい」
そして莉里亜は昔を懐かしむように車窓を眺めた。
「そのうち先生は私の相手をしなくなった。私も友達はいたけれど女子って関係を保つだけでも結構大変でね。それでそのうち学校に行く意味を感じられなくなって最終的には引きこもりになったというわけだよ。チャンチャン」
「つまり莉里亜は自分から不登校になることをえらんだのか?」
「そういうと聞こえがいいけどね。」
と莉里亜は苦笑した。すると顔をこちらにむけて
「ところで陸は…」
といいかけてしまったという顔になった。
「ゴメン、前に聞いたんだったね。」
「いや、気にしないでくれ」
この時の俺はどんな顔だったのだろうか。それ以降莉里亜が話しかけてくることは無く降車駅に到着した。




