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音に関する短文2
くぁん くぁん くぁん
頭の中で何か堅いモノを叩くような音が響いていて、それがとても不快だった。
そのとても不愉快な音を振り払おうと、何度も何度もかぶりを振った。
くぁん くぁん くぁん
けれどどれほどのことをしても、その頭の中の音は消えてはくれなかった。
むしろ次第に音が大きくなっていくような気さえした。
くぁん くぁん くぁん
ああ、厭だ厭だ。
何故音は止まないのだろう。
何故音は私の頭の中でこんなにも響くのだろう。
それはまるで降り止まぬ外の雨のように、
いつまでもいつまでも私の中で鳴り続けるのだろうか。
くぁん くぁん くぁん
音は私に罰を与えるかのように、繰り返し繰り返し頭の中を打ち据える。
くぁん くぁん くぁん くぁん
私は許しを乞うように頭を低くした。
雨が止んだ。
音が止まった。
副題は“偏頭痛”だったり……