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書き散らし  作者: 露岐
5/8





 さらさらと微かな音がする


 

 それは私のほかには誰にも聴こえない音

 砂が少しずつこぼれ落ちる音

 手にいっぱいすくった砂が指の隙間から流れ落ちていく音





 その砂が落ちていく音のように

 私の中の大切な記憶も

 少しずつ 少しずつ

 さらさら さらさらと

 流れて

 やがて消えてしまうのだろう




 

 時が経つにつれ手の中の砂は減っていく

 私が私で在るための知識や思考も

 薄くなる

 小さくなる





 私が私でなくなったら

 わたしはどうなるのだろう





 怖くはない





 何故なら私でなくなった時のわたしの事を

 今の私は知らないのだから


 



 やがて音が止まる時が来る

 手の中の砂が全てこぼれ落ちてしまう時が





 私が


 消える



 時が










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