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ありがとう

作者: 篠原葵

震災があって、わかったこと。

当たり前の生活のありがたさ。

「ありがとう」のあたたかさ。

これは、私が感じたことをそのまま言葉にしたものです。

わかりにくい点はご容赦ください。

「ありがとう」

そう思っていても伝えられないこともある。

けれど、今伝えずにいつ伝えるのか。


震災で多くの人が命を失った。

やり残したことが沢山あっただろう。

悔しい思いで亡くなった人が何人いただろう。


その死の間際、何を感じたのか私にはわからない。

けれど私なら―――。

悔しくて、悲しくてならない。


私には大切な人がいる。

お父さん、お母さん、お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、妹、弟、従兄弟、親友、先生・・・・・・。

数えだしたらきりがないくらい、沢山だ。


私は震災で、当たり前の生活がどれ程に有難いものなのか痛感した。

当たり前に学校に行き、当たり前に授業を受けて、当たり前に部活をして。

当たり前に家に帰って、当たり前にご飯を食べて、当たり前に家族と喋る。


こんな「当たり前」のことが、一瞬にして「当たり前」ではなくなってしまった。

耐えられない。

大切な、大好きな人たちに何も伝えられずに二度と話せなくなってしまうのだ。


大切な人達に出会うことができたのは、お父さんとお母さんのおかげだ。

この世に生を受けてつらいこともたくさんあった。

けれど、生まれてきたことに後悔したことはない。


つらいこと以上に、楽しいこと、嬉しいことがあったから。

震災で、数え切れない人が命を失い、その人たち以上に沢山の人が涙を流した。

つらい、悲しい、悔しい―――。


けれど、私はあきらめない。

生きていれば、大切な人が見つかる。

大切な人がいれば、笑える・・・・・・。


私は「ありがとう」が言えない。

どことなく照れくさくて、恥ずかしくて。

けれど、「ありがとう」ほど暖かい言葉はないと思う。


「ありがとう」と伝えたい。

大切な人に。

大好きな人に。


お父さん、お母さん。

この世に生まれてきて、大切な人に出会えたのはお父さんとお母さんのおかげです。

つらいことも沢山あったけど、嬉しいことも沢山ありました。

後悔したくないから。

おわった後で悲しむのは嫌だから。

今、伝えます。

産んでくれて「ありがとう」

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