馬鈴薯
ある小さな国のお話です。
この国の住民は皆大金持ちでした。大金持ち以外の居住を国王が認めなかったからです。
この国の国民はフレンチフライ、いわゆるフライドポテトが大好きでした。
小さな国ですから、フレンチフライを調理して販売するお店はこの国に1つしかありません。
フレンチフライのお店は、約200グラムを500ヴェスニ(現在の日本円で約1,000円)で売っていました。
少ない国民ですが、皆このフレンチフライを食べて太っていました。国王も太っていました。
フレンチフライのお店は国王のお墨付きでした。というのも、国王が東隣にある「スラバ」という国に旅行に行った際、おやつの時間に出されたフレンチフライをとても気に入り、調理師を誘拐して国王の国で作るように命じたからです。
国王が気に入り、国民が気に入り、国民食になりました。
しかし、ある日東隣のスラバという国は、ピズデツという国と戦争をすることになりました。
小さな国のフレンチフライの調理師は、徴兵令を受けて自分の国に戻ってしまいました。
小さな国から国民食を作る調理師が居なくなってしまったのです。
その話を聞いて小さな国へ駆けつけたのが、西隣の「プローハ」という国の人でした。
プローハの人は、大量のじゃがいもを抱えて小さな国へ入ろうとしましたが関所の人たちに止められました。
関所の人たちは、見たことのない茶色がかって丸みを帯びたゴロゴロした物体に対して説明を求めましたが、プローハの人の説明を聞いて国の中へ通すことにしました。
しかし国に入った途端、小さな国の人たちに石を投げられました。
「なんだその茶色いうんこみたいな物体は!大量に持ち込みやがって帰れ!」
プローハの人は「これでフレンチフライを作るんだ」と説明しましたが
「フレンチフライはもっと細くて綺麗だ!」とか「貧乏人!農民!詐欺師!」と罵られ諦めて小さな国を出ていくことにしました。
小さな国の人たちはフレンチフライの調理方法どころか材料も知りませんでした。
小さな国を追い出されたプローハの人は
「私の国ならこんなもの50ヴェスニ(現在の日本円で約100円)で売れるのに」
と関所の人に呟いて国を後にしました。




