独立編 【11】
「双葉殿、報告に参りました。」と下っ端忍び。
「伺いましょう。」
「木津川口にて、九鬼嘉隆率いる巨大鉄甲船が毛利水軍を撃破!
そののち、石山本願寺が和睦を申し入れ信長が受け入れたとの事。
鈴木家一族は雑賀城に引き上げ、孤立状態でござる。」
「ご苦労です。引き続き動向を探ってくだされ。」
「承知!」
「翔平、これって厳しくないか?」
「ヒジョーにキビシー!です。」(財津一郎風)
「10年以上に渡って抵抗してきた本願寺さえ、ついに降伏!
もはや、誰も信長を止めれれないな。」
「はい、あと姉者がお昼寝中に報告があって、安土城にて徳川家康の接待役の
明智光秀が解任されたとか。 信長の怒りが凄まじかったとも。」
「翔平、明智殿に会いに行くぞ!」
「はい、まずは斎藤利三さんの屋敷に。」
斉藤利三の案内で光秀に会うことができた双葉は静かに頭を下げた。
「お互い名乗らない方が良いようだ。して御用の向きは?」
「信長殿、いや信長の最近の様子が常軌を逸していることを危惧しています。」
「確かに叡山の焼き討ちあたりから、まるで人が変わったような振る舞いが...
「ようなではなく、変わったのです。あれは信長であって信長ではありません⁈」
「どうゆうことかな? 何者かに操られているとでも?」
「さすがの推理だよ、明智君!」
「拙者は名探偵ではありませんが...」
「これは失礼⁈ にわかには信じ難いことでしょうが、人の憎悪や怒りが
一線を越えたときに精神を乗っ取る魔物がいると聞きます!
今の信長がまさにそれかと⁈」
「そうなのか? いや、言われてみれば...思い当たる節が何度も...
「そのことを踏まえた上で、忠告に来た次第。
誰かが信長を止めなければ、この先も必要以上に血が流され続けるのは必定!
明智殿と羽柴殿が信長にとって最も使える家臣でござれば、二人には重要な任務や
無理難題を押し付けてくるやもしれません。
ですが、くれぐれも軽はずみな行動は控え、しかるべき機会を伺い、
その時がきたら...それがしと共に魔王・信長を倒してもらいたいのです!」
「これほどのこと、即答は到底できようはずもない⁈
だが、これからもお互いに連絡が取れるよう繋の忍びを手配してくれると有難い。」
「二人連れてきました。暗号名ハゲタカとガマガエル、十分お役に立てるはず⁈」
「桔梗の紋が入った小柄を渡しておきましょう。
これを見せれば拙者に会えるように話を通しておきます。」
「お預かりします。 ではこれにてご免!」
「姉者、里に帰る前に紀伊に行きませんか?」
「雑賀衆か?」
「はい、雑賀孫市の兄貴は同志に加えるべきかと。」
「雑賀城まで急ごうか!」
「はいな、姉者!」
口ぶりから察するに単なる顔見知りではなく、かなり親しい間柄のように思われる。
その翔平が推挙するのだから勝算があるのだろう。
例によって、あっさりと面会できた。
「雑賀城はいまや孤立無援、囲まれる前に城を出て野に潜むのが良いのでは?」
「行く当てもないし、気が進まぬな」気難しいそうな相手だ。
「美濃にある我らの里に是非とも来てくだされ⁈」と双葉。
「ちなみに孫市兄貴、新型鉄砲が欲しくはないですか?」と翔平。
「今すぐ行くぞ! 案内してくれ⁈」と孫市。
翔平にかかれば簡単なものだな。
北近江の国友善兵衛の鍛冶場に向う道すがら、
「ときに、孫市さんはどのような女子衆がこのみですか?
胸の大きさとか?」
「胸はまあ、それなりであれば十分。
それよりタッパとケツがでかいのが好みじゃな⁈」
(奇しくも虎杖悠仁と同じとは意外だな⁈)
「我らの里に、三、四人ほど心当たりがあります⁈
合意の上でなら好きなところを、好きなだけ触っても構いませんぞ⁈」
「翔平、急げ! 遅れを取るなよ⁈」
案外と分かりやすい御仁だった⁈
国友善兵衛に以前の新型鉄砲を上回る鉄砲を造って欲しいと頼み込むと、
「そういう仕事がしたかったのじゃ」と引き受けてくれた!
腕が振るえる仕事に飢えていたようで気合が入ったようだ。
前に十三に造ったアーマテラス?より良いものを必ず仕上げて見せると。
出来上がるのが待ち遠しい!
これって〈一日千秋の思い〉であってます?
「珍しくあってます!」と翔平。
名物屋敷に着くと、
「報告に参りました」と下っ端忍び参上。
「承りましょう」
「播磨の名門、赤松家が織田家に臣従。
羽柴秀吉が御着城に移転し、居城としたうえで毛利攻めを命じられましたぞ。」
「ご苦労、引き続き動向を探ってくだされ」
「承知」
「孫市さん、まずはゆるりと天然温泉でくつろいでは?」
「おぉ! それは良い、お言葉に甘えさせてもらおうか」
「翔平、お背中流し隊の中から、タッパとケツのでかいのを見繕ってくるのじゃ」
「直ちに!」
「風呂の後は、ささやかながら夕食と歓迎の宴などを用意させますので」
「心配り感謝する。
最近は面白くないことばかりで、良い気晴らしになりそうで楽しみだわい」
大浴場の前に4人の精鋭が並んでいた。
お亮(三類)、お雛(四類)、瞳(六類)、伊達直子(二類)
「全員、後ろ向いてポーズ!」と翔平の掛け声。
「どうぞ、お好きなケツを選んでくだされ」
「おぉ! どれもこれも素晴らしい! 迷うではないか...
「ではいっそのこと、四人全員でお背中と言わず全身を洗ってもらえば
身も心もスッキリしますぞ!」
「そのようなこと、してもらうわけには...ぜひそれでお願いしたい!」
まさかの土下座をしたよ@@
「どうか手をあげてください。最後に一つだけ助言があります。
もう無理だと思ったら床を三度叩いて、「ギブ、ギブ!」と言えば解放されるので」
「いやいや、拙者とて武士の端くれ、滅多なことでは音を上げませんぞ!」
半刻《1時間》後、大浴場から意識を失い担ぎ出された孫市の姿があった。
「これって、〈雉も鳴かずば撃たれまいに〉であってます?」
「少し違う気がします...敢えて言うなら〈蟷螂の斧〉かと」
「言い得て妙! さすがだな、翔平」
「恐縮です。 次は胃袋を掴めば、もう抗えないでしょう」
「つまり、時間の問題てことよな、グフフフ...」
「時間の問題てことよなです、フヒヒヒ...」
翌日、孫市から里に永住したいと申し出があったのは当然のおケツ...帰結である。
―以下に続く―




